【鬼滅の刃】無陽の杜

その拾弍 昔噺 ページ14

20の誕生日

桔梗と私は夫婦のなる事が決まった

何よりも幸せだった

動物達にも知らせると心の底から喜んでくれた

お義父さまも村人達も結納の儀を喜んでくれていた

と思っていた


20の誕生日を迎え結納の儀を終えた夜


桔梗は殺された



私は無陽様への供え物 生贄だったのだ


20年に1度 他所の村から1人女の赤子を貰い育て巫女

にし無陽様への生贄にする


こんな馬鹿げた事をこの村は200年続けてきたのだ


優しかった村人、義父は笑った


20年間何も知らずに幸せだと言うお前は滑稽だった


桔梗は親がいなかった

そのため、生贄の事を知らずに私に恋をした


目の前には胴と首が離れた 桔梗

あの時、狂ってしまえば幸せだったのかもしれない


私は叫んだ あの時の感情をなんて言えばいいのか

未だに分からない


暴れる私を義父達は牢屋に閉じ込めた


＿＿明日には無陽様が私たちにより幸福をもたらしてくれるだろう



口には猿轡 手足は縛られ身動き1つ取れない

＿死にたくない 死にたくない

＿何で私が死ななければならないのだ


そう思っていたその時だった


「可哀想に。婚約者を殺され明日は自分」

「私が助けてやろう」


鬼舞辻が現れた

私は言われるがまま鬼となった


鬼になればアイツらを殺せると思った


人を嘲り笑い桔梗を奪ったアイツらを


私は己を忘れて村人全員を食い殺した


その後、桔梗の首を抱えて1日中泣き続けた


鬼になって1週間もすれば人間だった頃の記憶は消えた


鬼になって数年経ち

私は上弦の弐まで登りつめた

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