あの日、あの時、それから ② (ページ7)

今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:6,219 hit

53 ページ7

朝から少し熱っぽいなとは思っていたけど、全然なんとか出来る範囲だと勝手に自分で判断した

でもそんな勝手な判断に誰かが怒ったかのように、寮に帰ってきた頃には体は結構な熱を持っていた

監｢灰戸くん｣

もう階段を昇って部屋に行くだけだったのに、そのあと少しで寮監に捕まってしまう

『何ですか？』

監｢これ、親御さんから｣

古風な便箋に筆ペンで書かれた
灰戸A様の文字

監｢せっかく送ってきてくださっているのだから、しっかり目を通しなさい｣

『……はい』

もう一刻も早く自室のベッドに辿り着いてゆっくりしたいから、受け取って自室に駆け込む

『……』

しっかり目を通せ、ね。ビリッと容赦なく破り、そのままゴミ箱に捨てる

書いてることはずっと一緒。そんなものに時間を割くほど俺も暇じゃない

いよいよ体が限界に近づいてきた俺はそのままベッドに寝転がると一瞬で眠りについた