あの日、あの時、それから ② (ページ29)

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西｢っ、くそっ！！｣

周りの迷惑も考えず電車の扉に感情をぶつける

ようやく見つけたのに、みすみす逃がすとか警察やったら大問題やで？

あかんわ、そんなん言うてる場合ちゃうわ

冷静になった頭で次にするべき事を思い出して行動に移す

西｢もしもし流星？ごめん、逃がしてもうた。うん、わかった｣

頭のいい後輩はすぐに全部察してくれて、とりあえず一度寮に帰ってくるように言うてきた

寮に戻らな……電車から下車して帰るために今おるホームとは反対側のホームに向かう

西｢……｣

反対側のホームに向かう途中、足が止まってそのまま立ち止まってしまう

Aの口から初めて聞いた胸の内

Aのことは流星を通じて知っていて、だけど特に何も無いままあの日初めて会って話したのが全ての始まり

西｢迷惑やったってことか……｣

自分で口にしたのに、自分の心に痛みが走る

なんでこんなに痛いんやろ……？

その痛みの理由に薄々と気づいているけど、どうすればいいのかわからない俺はしばらくその場に立ち止まるしかなかった