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あれから数日。時刻はバイト終わりの23時過ぎ。


今日は休日ということもあってとても賑わっていたカフェ。疲れた、と思いながら車窓からの夜空を眺め電車に揺られること数分、最寄り駅に到着。



「…あ」
「…あ?」


するとそこには不死川先輩。グレーのパーカーに、黒のスキニーパンツ、淡いブラウンのCPOジャケットを羽織っていた。右肩にはトートバッグで、ワイヤレスイヤホンを取りながら驚いた様子で私を見る先輩。



「こんばんは」
「おォ、バイト、か?」
「はい、先輩もですか?」



んまァ、といつものようにぶっきらぼうな返事。すると申し訳なさそうに俺臭いから、と。



「…揚げ物の匂いすげェだろ」
「いやとくには」



私がそう言えば、少し嬉しそうにそして安心したように軽く笑ってくれた。私は駅の東口でまさかの先輩も東口だと、そうなれば自然と隣を歩くことになるわけで。この間のこともあり少しぎこちない気がする。


「どこでバイトしてるんですか?」
「…駅前にショッピングモールあんだろ、そこのフードコートの丼屋」
「あ、知ってます!蜜璃ちゃんと行きたいねって話してました」
「そうかィ…んじゃ楽しみに待ってるわ」



…待ってる、か。


意識すればするほど、へんに熱が篭っていく自分自身に嫌気がさす。彼は別に変な意味なく、ただの先輩と後輩としての会話をしているだけだ。そうこうしているうちにマンションが見えてきた。先輩はどこら辺だと聞けばこの先だと。




「おつかれさまです、おやすみなさい」
「…おォ」



頭を下げて背中を向ければ、またも掴まれる右手首に反射的にビクリと肩が揺れた。振り向けば、頬を淡い色に染めた先輩がスマホ片手に俯いていた。そして、ん、とスマホの画面を突き出す。

…それは先輩の連絡先だった。




「あ、ありがとう、ございます」




震える手でスマホを取って彼の連絡先を追加すれば、満足したのか手を離す先輩。どことなく嬉しそうに軽く歯に噛んでいる。そして我に返ったように、真っ赤に顔を染めた先輩は、じゃあ、とそれだけ告げて来た道を引き返した。



_____ん、引き返す…?




「…あ」



そこでようやく気づいた、というか慌てて帰った先輩が答えをくれたものだけど…彼は送ってくれたんだ。先輩の家はもうとっくに通り過ぎていたってことだ。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥   
作品ジャンル:恋愛
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三月の専属ストーカーなつめみく - 宇随さんの小説でホイップ増量でェってセリフがリンクになってたから飛んでみたらいきなりさねみんがホイップ増量でェとか言ってて吹いた。 (10月25日 16時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - にじさん» にじさん初めまして、コメントありがとうございます!実弥さんらしさがなかったら…と不安でしたし、皆さんが想像しやすいように描写の方も力を入れているのでそう言って頂けて嬉しいです、ありがとうございます( ; ; )今後も頑張りますのでよろしくお願いします…! (2021年2月21日 23時) (レス) id: e728655408 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - コメント失礼します。蓮さんが書く実弥さんとても好きです…。こんな恋がしてみたい!ときゅんきゅんしてます…!描写も一つ一つが丁寧でとっても素敵で…これからもコッソリと更新を楽しみにさせて頂きますね。 (2021年2月21日 17時) (レス) id: 7dcf5a18d1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - パチ麻呂さん» パチ麻呂さん初めまして、コメントありがとうございます!実弥さんとの恋を楽しんで頂いてるみたいで私も嬉しい限りです!労いのお言葉までありがとうございます…!甘くしていけるよう努力してまいりますので今後もお付き合い頂ければ幸いです。よろしくお願いします! (2021年2月19日 22時) (レス) id: e728655408 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - コメント失礼します。文章1つ1つが可愛らしいというか、恋してる気持ちになれて堪りません( ; ; )スマホ片手にジタバタしちゃうくらいキュンキュンします。これからも楽しみにしています。お体に気をつけて蓮さんのペースで更新頑張ってください! (2021年2月19日 5時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年1月26日 21時

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