ホイップ増量で。【不死川実弥】

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「おつかれさまでしたー！」



お店は22時までで、そこから閉店作業をして大体22時半にはお店を出る。蜜璃ちゃんはカフェから近いところで実家暮らし。

私は電車通勤で、いつも蜜璃ちゃんとは駅まで一緒に帰っている。ちなみに蜜璃ちゃんの家は駅から少し行ったところだ。

このカフェは、大学と一人暮らししているマンションの間にあるから、学校帰りも行きやすいし定期で通えるから何かと便利ということで、面接を受けたのだ。


店長に挨拶してから蜜璃ちゃんと駅まで向かう。他愛もない話をしている時間がすごい楽しい。


「あ、Aちゃん！今度ここ行かない？」
「美味しそう」


蜜璃ちゃんがスマホで見せてくれたのは、パンケーキのお店だった。フルーツだったり、ホイップだったりと何とも美味しそうだ。


「私、クーポン持ってるの、どうかしら？」
「うん、行こう」


私が言えば、パァッと明るくなって目をうんと細めて笑う蜜璃ちゃん。…すっごい可愛い。

とまあ、そうこうしている内に駅について私たちは別れた。電車に揺られること数分、最寄駅に着いた私は家までボーッと歩いていた。



…あの人、甘党なんだなぁ。



ふと思った。いつも来るあの彼は毎回、ホイップを増量している。

バイト先のカフェのミルクティーは、ホイップがついているタイプで、追加メニューで増量もできる。

でも、元々ミルクティーは甘いからホイップをさらに増量する彼は相当な甘党なのかもな。

彼は、毎週木曜日の19時ぐらいに毎回来るうちの店の常連さんだ。…常連と言っても、今年の夏ぐらいだけど。


なんて考えながら歩いていたら、気がつけばマンションに着いていた。明日は3限からだし、今日の分の課題もないからのんびりしようと心に決めた。

冷蔵庫の残り物で適当に夜ご飯を済ませて、ゆっくりと湯船に浸かり、髪を乾かしてなどしていれば時計の針は1時を指していた。


…寝よう。


ベッドに入って電気を消して目を瞑る。この頃にはもう常連の彼のことは頭になかった。気づけば私の意識は飛んでいた。

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