魔女集会で会いましょう【歌い手】 (ページ7)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:5,141 hit

恋の魔女ページ7

「ふむ、子供か。少し肥えれば美味くなるか？物は試しか。おい小僧ら、ついて来い」

……

「お師匠、縮みました？」

「あ？おい、クソマセアホガキ。儂が教えたことを忘れた訳じゃねえよな、忘れたなんぞ言わせねぇぞ」

「だってお師匠、オレよりちっちゃい……」

俺と志麻くんを拾ってくれた、お師匠。お師匠は、とても小さい。九百歳を優に超えているのに、見た目はただのロリ、いわゆるロリババアとかいうやつだ。魔女にはいろいろあるらしいことを教わった。

「おいクソタヌキと一緒に燃やすぞ」

「お師匠までそんなこと言う！」

「今日はお前は留守番。もっといい男になってから同伴を申し出るんだな」

「ひどい！それで志麻くん連れて行くんだ！」

「女を後ろ姿だけでオトせるなら連れてってやるが？てんでダメだもんなぁ、マセてるくせして」

お師匠は、恋の魔女。恋愛成就の手伝いもするが、破局の手引きやら禁断の恋にちょっとスパイスを加えるなど、色恋沙汰は自由自在。もう人間も魔女も、動物でさえも関係なしに恋心を操ってしまう。
それで心身ともにボロボロになった人間や魔女を喰らうのが、お師匠の仕事というか趣味なのだ。
確実に、目をつけられたらタチが悪いランキング上位に入る。ちなみに、堂々の一位は青薔薇の魔女だ。あいつに目をつけられた魔女は確実に喰われるらしい。
……ただ、オレにはお師匠以上にタチの悪い魔女なんて想像がつかないけど。

「師匠～、衣装の準備終わりました？」

お師匠は覗かれても別に気にしないので、ノックなしで入ってくる志麻くん。いつもとは違って、ドレスシャツにスラックスでかっちりしている。

ああ、俺も行きたかった、魔女集会。