19:罪と罰 ページ19
*
明方まで降り続いた雨は上がって、やがて朝が来る。
厨房の隅の休憩するために置かれた小さなソファーで、
いつの間にか折り重なるようにして眠っていたらしい。
起き上がろうとした私を下からギュッと抱きしめて、耳元で甘く囁く。
「ヌナ、行かないで」
その声に、急に怖くなった。
ﾄﾞﾝﾍさんの胸を押して立ち上がると脱ぎ捨てられた服を着て、
身支度を整えた。
「ヌナ…」
背中から包まれるように抱きしめられても、ただ怖いだけだった。
「………もう、帰って」
「ヌナ。トゥギヒョンには俺が…」
「やめて」
「ヌナ？」
「なんて言うの？ﾄﾞﾝﾍさんとこうなったから別れるって？」
「だからそれは俺が」
「ダメよ…」
「どうして…」
言えない…
昨夜は流されてああなったけど、ジョンスにそんなこと言えない。
あの優しいジョンスを傷つけるようなこと、なんでしてしまったんだろう。
「忘れて…」
「何言ってんの？」
「だから、昨夜のことは忘れて？」
「そんなこと出来ない！」
「出来るわ！元に戻らなきゃ…」
「ヌナ、聞いて？」
「雨のせいよ。きっと……」
昨日の雨がいけないんだ。
雨が、正常な判断を狂わせたんだ。
雨のせいにでもしなきゃ、壊れてしまいそうだった。
ボロボロ、涙が溢れる。
ジョンスの笑顔が、頭から離れない。
大切にするって、約束したのに……
「ヌナ…」
「お願いだから、帰って……っ(泣)」
「ヌナ、俺は謝らないから…」
ﾄﾞﾝﾍさんが出て行った後、私も店を出てマンションに向かった。
なぜだか体がダルくて、足元がふらつく。
夕べあんなにも激しく体をぶつけたから…？
熱にでも浮かされたように、夕べのことが鮮明に蘇る。
深く深く繋がって。
あの時間が永遠に続くんじゃないかと思えるほど、
何度果てても、まるで渇ききった砂漠が水を欲するように、
お互いが何度でも欲しがった。
あんな行為は初めてのことだった。
ジョンスにさえ、許していないのに…
フラフラになりながらマンションに戻った私を待っていたもの。
「A！」
「ジョンス…っ」
どうして……
「どこ行ってたの？心配したんだよ？」
「ジョンス…(泣)」
「どうしたの？…おい、A！」
私に駆け寄るジョンスを見た瞬間、
頭の中がショートしたように目の前が真っ暗になった。
神様は早速罰を与えに来たんだと。
思うと同時に私は意識を手放した。
*
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りゅう(プロフ) - さくらこさん、ステキなお話をありがとうございました♪ブラックドンヘ？？と思いながら読み始めましたが、ステキなラスト♪ほんまにさくらこさんのドンヘをはじめとするメンバーへの愛が溢れてました♪またお話楽しみにしてます♪暑いからお身体ご自愛くださいませ♪♪ (2015年8月7日 15時) (
レス) id: 8614525c3d (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ちかさん» ちかさん、コメントありがとうございますm(_ _)mトゥギもドンヘも実際どんな感じなんだろう…妄想の中だけでも、こういう人なんだと思いたいですよね〜。これからもたのしんでいただけるように頑張ります！ (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - よぅちゃんさん» よぅちゃん、コメントありがとうございますm(_ _)mコメント欄がトゥギを偲ぶコメントで溢れて…いつかちゃんとトゥギも幸せにしてあげなきゃね^^; (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - さるるんさん» さるるんさん、コメントありがとうございます！お、さるるんさんのお話読ませていただいてますよ！嬉しいいです！ (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさん、コメントありがとうございます！レス遅くなってごめんなさいm(_ _)mトゥギは私のお話の中でいつもこういう役回りなのでちゃんと幸せにしてあげないといけないですよねwwいつかトゥギも書けるかな^^; (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらこ
| 作者ホームページ：http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時：2015年5月26日 15時
