34:そういう関係〜dh〜 ページ34
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「おい、やめろ!離れろ!!」
「いいんだよ、ヒョンほっといて」
「何言ってるドンヘ。おい、ジョンス離せ!
てかお前、今日帰ってこないって言ってなかったか?」
「……」
「ヒョン、ごめん…ずっと隠してて…」
「何の話だ?」
「でもオレ、はっきりフられたから。もう絶対A…ヌナには会わない」
「は?Aって…どういうことだよドンヘ、お前まさか…」
「ヒチョル、お前は黙ってろよ」
「これが黙っていられるか!まさかお前、ジョンスの女に手ェ出したのか!?」
「ヒチョル、本当にもう…」
「お前…ヒョンの女に手ェ出すなんて…おい、なんとか言え!!」
喉元を掴まれて、ぐいぐい引っ張られる。
苦しくて息ができないけど、こんなのどうってことない。
どうせならボコボコにされて、何もかもなかったことに出来るならそれでいいと思った。
ヒチョルヒョンに振り回されて、ふらついた足がフローリングで滑って床に転がった。
転がったオレに馬乗りになったヒチョルヒョンは、
いつかキレて部屋中の物をぶち壊した時と同じ目をしてた。
あの時は恐怖で泣きそうだったけど、今はその恐怖すら感じない。
されるがままのオレに、ヒチョルヒョンはいつしか冷静さを取り戻してた。
「ジョンス、どういうことか説明しろ。
こいつ、何されたっていいって覚悟決めてやがる」
「どういうことも何も、簡単な話だ。
同じ女を好きになって俺はふられた。彼女はドンヘを選んだんだ」
「嘘だ…。ヌナはヒョンのプロポーズを受けるって…」
「そう言ったのか?」
「え…」
「俺のプロポーズを受けるって?そう言ったのか?」
「え、いや…」
"ヒョンのプロポーズ、受けるの?"
そう聞いた時、Aは首を横に振った。けど…
「でも、最後だって…」
「本気にしたのか?」
「だって…」
「ドンヘ、俺と彼女はな…付き合ってたけど、そういう関係じゃない」
「え…?」
"そういう関係"って
「アホ!そこまで言わせるのか!?
だから、俺と彼女はプラトニックな関係だったってことだよ!!」
「え…」
そんな…
「だから…っていうわけじゃないけど…
俺は彼女の本当の意味での恋人にはなれなかった」
「でもジョンス、実際付き合ってたのはお前なわけで…」
「いいんだ。俺はずっと、片思いしてたんだよ」
そう言って微笑んだヒョンが、涙で見えなくなる。
「ヒョン…」
「だから行けよ!早く!!手遅れにならないうちに!」
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りゅう(プロフ) - さくらこさん、ステキなお話をありがとうございました♪ブラックドンヘ??と思いながら読み始めましたが、ステキなラスト♪ほんまにさくらこさんのドンヘをはじめとするメンバーへの愛が溢れてました♪またお話楽しみにしてます♪暑いからお身体ご自愛くださいませ♪♪ (2015年8月7日 15時) (レス) id: 8614525c3d (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ちかさん» ちかさん、コメントありがとうございますm(_ _)mトゥギもドンヘも実際どんな感じなんだろう…妄想の中だけでも、こういう人なんだと思いたいですよね〜。これからもたのしんでいただけるように頑張ります! (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - よぅちゃんさん» よぅちゃん、コメントありがとうございますm(_ _)mコメント欄がトゥギを偲ぶコメントで溢れて…いつかちゃんとトゥギも幸せにしてあげなきゃね^^; (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - さるるんさん» さるるんさん、コメントありがとうございます!お、さるるんさんのお話読ませていただいてますよ!嬉しいいです! (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさん、コメントありがとうございます!レス遅くなってごめんなさいm(_ _)mトゥギは私のお話の中でいつもこういう役回りなのでちゃんと幸せにしてあげないといけないですよねwwいつかトゥギも書けるかな^^; (2015年8月1日 11時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくらこ | 作者ホームページ:http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時:2015年5月26日 15時