手入れ方法は『キス』。 II

［56］ ページ6

一発、また『必殺！ こめかみぐりぐりの刑』を鶴丸にお見舞いした。
理由は無断で私の部屋(下着諸々がある)に入ったからだ。
幾ら親しい関係だからって女の子のプライバシーを除くなんて、私でも怒った。




「痛ゥ……君の下着を見ようとかそんな疚しい事は本当に思っちゃいないぜ⁉ただ俺も現世に行くなら今の格好より現世のふぁっしょんに嗜むのが一番だと思ったんだけだ」
「私は言ってもいいよなんて言ってない」
「俺が了承した‼」
「それで政府に見つかったら私ひどいお仕置きされそうで怖いんですけど」




正直鶴丸を置いて離れを後にすると、私が帰ってくるたびに離れが散らかったりしている。
そしていつも長谷部に怒られているんだっけ。
もうこれがあたり前になちゃって今じゃ笑い事になってる。



「……はあ。鶴丸が私から離れないで静かに着いてくるって約束するなら私も折れて連れて行かせます。もちろんお忍びで」
「や〜〜った‼ああ、俺いい子になるからな。さあ、早く着替えて行こうぜ主♪ 」




尻尾が見える。
幻覚だろうか。うん、そうだろう。
こいつは私とコンビニ行くだけでこんなに喜ぶような奴だったけ。
それがただ単に現世の外を見て見たいってだけなのか。
ほんと予想も理解が出来ない男だ。

鶴丸の服装は私の服で行くことになった。
と、言うかそれしか無いから仕方なく。
事前に言ってくれたらもっとかっこいい服だって買ってあげたっていうのに。
はあ、と溜息をつく。





「鶴丸お前私よりも身長がちょっと高いよね。このパーカーとズボン入るの？ 」
「ぱーかーと言う衣装は実に軽いな。気に入った。腰に履くずぼんとやらも入ったぞ」
「パーカーはちょっと大きかったんだけど鶴丸が着るとぴったりだったみたいだね。よかったよかった。これだったら誰にも怪しまれずに現世に行けるね」





そして私はゲートに鶴丸とともに向かった。
行く途中さっきまで話していただろう、薬研と三日月がこっちに来た。





「大将何処に行くんだ？ また遠征か？ 」
「鶴丸もお供に連れて行くのなら俺も行きたかったんだがなぁ。主よなぜ言わなかったのだ」
「コンビニよ。昼食買いにちょっと。言っとくけど私は遊びで行くわけじゃないの。大人しく待っていたらご褒美あげるから。ね？ 」
「……‼それは主の息が上がるまでキスをしても良いというご褒美かえ⁉」
「ただの和菓子の桜餅あげるだけだから。変な妄想を私ですんな」

［57］→←［55］

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す