手入れ方法は『キス』。 II

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謝ると堀川くんはいつものクールな顔を変え、にこっと薄っすら口角を上げ笑顔を浮かべた。


「初めて見た。堀川くんってそんな風に笑うんだ！ 」


素直な驚きを述べた。
最初にあった頃に比べたらこれってなかなかの進歩じゃないのか。
これは仲良くなれる気がするぞ！

私は堀川くんが笑った顔を目でしっかりと拝もうと彼の顔に近寄った。
青い瞳がキラキラと揺れる。
夏によく見た海の色と似ていて本当に綺麗。


「あの……主さん…………？」


私はハッとした。
まじまじと顔を覗き込んでしまって自分が今ものすごく相手に失礼ではなかったのか⁉
私の悪い癖発動してしまったァァ。
いつも考えるよりも行動派で時には「Aって稀に単細胞になるよね」とも琴音に言われたことがあるくらいだ。
いや改めて思うとなんだよ単細胞って。私そんなにか？
自分では考えているつもりでも他人からはそうは思われていないってなんか虚しいな。

でも____



「ありがとね、私のこと心配してくれて。疲労で寝ただけなのに心配してくれたのは嬉しかった」



堀川くんはそのまま私を見続けた後、ぷいっと後ろを向いてしまった。
うーん……やっぱりそう簡単に仲良くはなれないのかぁ。
少し残念な気持ちを持ちながら私たちは静かに時が経つのを待った。




「別に普通です……でも、まぁ……どういたしまして」



そういった彼は下を向いてしまった。
だけど私の目には彼が頰は少し赤くしている姿がバッチリと見えた。
私は堀川くんのまだ見たことない表情にくすっと気づかれない程度に笑った。



「主さん今笑いましたね」
「え、な、なんのことかなぁ〜〜」
「目が魚みたいに泳いでいますよ？ 僕の顔見て笑いましたよね？」
「笑ってない！堀川くんの頰が赤くなっていてかわいいって思っただけだし〜〜」
「それ笑ったのも同然じゃないですか⁉」



ギャーギャーと言葉のキャッチボールを繰り返し続けた。
相手が言ったことを反感するように言っては返して言っては返すの無限ループ。
こんな姿をお婆ちゃんやかあさんに見られたら何と言われるだろうか。




「ぐおぉおお……」



一方で。
兼さんこと和泉守兼定はまだ熟睡である。

他の者たちもまだ幸せそうに眠っている。
さてと、今日も一日仕事頑張りますか！

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