#49 ページ15
side black
「俺ね、記憶がなくなったの。」
ぽかんとした顔をされるのは想像もついていたし、2度目にして既に慣れてしまったようだ。
今はただ、実際にぽかんとした京本の顔を見て、あーやっぱり整った顔だなーと思うことしかなかった。
長い沈黙の後に投下されたのは、ごくごく短い「……え、」だった。
「でも、普通に過ごしてたし、……え、いつからの記憶、?」
これだ。
今日、俺はこれを伝えるために来たんだ。
伝える事を拒むように固くなった口を意識的に動かした。
「単純にいつからいつの記憶、ってわけじゃないんだ。
…………京本、と、付き合ってたことにかかわることだけ、綺麗に抜けてるんだ、」
ここまで言い切ったことをまず褒めてくれ、と顔を背ける。
それから、「ごめん。」と付け足した。
「…………全部?」
「ん……全部。」
「……いつから?」
「いつだろ……3ヶ月前、かな。その間、騙してたのも、ごめん。」
「いや…………」
それっきり、黙り込んでしまった京本。
京本は今どんな感情なんだろう。
驚き?怒り?悲しみ?
聞く勇気もなければ、見る勇気すらもない。
でも、俺は言葉を続けるしかできることがなかった。
目線は合わせないままで説明という名の、もとい言い訳を続けるしか。
「記憶が無くなってることに気づいた時に言えば良かったんだろうけど、何故か言えなくて……今考えれば、京本を悲しませるのは嫌だって思ったんだと思う。」
1011人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まめお(プロフ) - ままゆみさん» コメントありがとうございます☺️2人のこれからも見守って頂けたら嬉しいです🥰完結まで楽しんで頂けたら何よりです〜🥳 (2022年6月13日 20時) (レス) id: 973e2a8681 (このIDを非表示/違反報告)
まめお(プロフ) - おゆまるさん» おゆまるさん!!コメント気付かなくてごめんなさい🙇♀️💦楽しんで頂けて何よりです🥰完結まで頑張りますね〜❤️🔥 (2022年6月13日 20時) (レス) id: 973e2a8681 (このIDを非表示/違反報告)
ままゆみ(プロフ) - 今日は👋😃北ちゃんの焦りや改めて好きになっちゃう気持ちが楽しくて好きです🥰いよいよ北ちゃんの秘密に迫るシーン突入するのですね😣切ないですがまた二人が笑い合えるように願っています🤗 (2022年6月13日 7時) (レス) @page3 id: 1b1dcef5dc (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - 移行作業お疲れ様でした。更新通知が来るたびにいつも楽しみに読ませていただいてます!続きが気になりますね〜💦これからも楽しみにしております😊 (2022年6月2日 5時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まめお | 作成日時:2022年6月2日 0時