ご ページ5
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着きたくなかった。
ぶっちゃけ今すぐ踵を返して家へ帰りたい。
男子バレー部部室前。
……あぁ、入りたくない。
「……うん、頑張って驚こう」
それが多分、一番良い方法。
軽く深呼吸して、ドアノブに手をかけて思いきりドアを開けた。
ここで、クラッカーがパァンって……
「……あれ?」
こなかった。
っていうか人の気配無し。
「ハッピーバースデー、太一!!!」
パァンという破裂音が
"後ろ"から聞こえた。
「……ぇ?」
恐る恐るも振り返ると、なぜかAを先頭にクラッカーを持った男子バレー部のスタメンが笑顔で立っていた。
……いや、え?
「お誕生日おめでと〜
ほら、これみんなからだからネ!
ホントは顔にぶつけたいけど部活前だから抑えとく!!」
Aの後ろから、天童さんがケーキを持って出てきた。
……待って、頭、追いつかない。
え?え??
「実はね、太一が計画聞いたっていうのバレー部の皆さんに教えたの!」
Aが無邪気な笑顔で、そう言った。
なんて、なんて言えばいいんだっけ?
あぁ、クソ、だってこんなの想定外。
「……っ
ありがとう、ございます…!」
不思議と、笑顔になれた気がする。
みんなで切り分けて食べたケーキは、酷く甘く不思議と笑みが零れるような味だった。
誕生日おめでとう俺。
END
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作者名:座右の銘 | 作成日時:2017年4月15日 9時