さん ページ3
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……あぁ、まじでどうしよう。
俺の表情筋働くかな。
「何、いけ好かない顔してんじゃん。
どしたの、太一」
「……A。
聞いてよ」
教室に戻ると隣の席の、そこそこ仲のいいAが、ニヤニヤしながら聞いてきた。
結局タオルは諦めた。
「どーしたの?」
「俺さ、来週誕生日なんだよ」
「あ、おめでとう」
「うん、ありがと。
それでさ、朝練終わりにタオル部室に忘れたから戻ったわけ」
「ちょっとだけ察した」
「スタメンの人達が俺の誕生日会しようって話をしていてさ」
「う、うん」
「やべぇと思って逃げようとしたら、見事に作戦を聞いてしまったわけよ。
どうしよう俺」
「とりあえずドンマイ」
Aは親指をあげ、所謂グッドをした。
くそ、他人事だからって。
「……まぁ、太一が頑張って驚いたフリをすれば良いんじゃない?」
「俺の表情筋の硬さ知ってるでしょ」
「うん、無理だろうね諦めよう」
…………くそ、他人事だからって。
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作者名:座右の銘 | 作成日時:2017年4月15日 9時