Glycine ＜code blue>

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______もうここへ来て何時間たっただろう。




次から次へと出てくる患者さんの処置に追われていたら、いつの間にかお昼を回っていた。


救命はカップラーメン食べられたら奇跡、っていうのは本当で。


ええい、今日の夜は思いっきり好きなもの食べてやろ。




大分片付いた現場を見渡すと、1人の女性が見えた。




怪我をしてるのに、懸命に崩れたテントの方に戻ろうとしている。




「 大丈夫ですか？

　 翔北救命センターの紅谷です。」




『＿＿＿＿＿＿あの子が、・・・！


　大翔が！まだあの中にいるんです！


　私はっ・・・・あの子を見殺しにした・・・


　お願い助けて・・・・・・・・・たった1人の家族なのっ・・』





「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿！」




私の脳内に彼女の言葉が響き渡った。



思い出したくない記憶が蘇ろうとするのを制して、


私は救命バッグを持ち直した。



「 どの辺りかわかりますか？」


『 あの崩れたテントとステージの間です！

　 っ・・・！私。あの子に酷いこと言ったばっかりなんです。

　 もっともっと言いたいことあるのに。

　 なんでっ・・なんであんな言葉、、、』



「 ＿＿＿＿＿＿＿貴方も怪我してる。

　 今医師を呼びますから、診てもらってください。

　 大翔くんは。

　 最大限の努力をします。

　 ＿＿＿＿貴方がきちんと伝えたい言葉を伝えられるように。」




『＿＿＿＿＿っ・・・先生・・・・』



『 紅谷です。
　
　 名取、こっち来て。軽い外傷の女性がいるから。

　 たぶん緑タグだけど、足捻挫してるかも。

　 頭打ってる可能性あるから処置したら白車で近くの病院運んで検査。』


名「 分かりました・・・紅谷先生は？」


「 彼女の弟がまだ残されてる。

　 助けなきゃ。」

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