Glycine ＜code blue>

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藍沢side


酔ったのだろうか、


皆の隣で呑まないのか、という俺の問いかけに対して、


だって・・・耕作がいいんだもん、なんて駄々をこねてずっと俺の隣で呑んでいたリア。


そんなこと言われたら勘違いするぞ、と返せば、耕作なら別にいいよ、なんて返して来た彼女は

頬を紅く染め、瞳は潤んでいる。


心臓に悪い。


何年も胸の奥にしまっていたはずの気持ちが蓋を開けそうになる。






藍「 いい加減にしとけ。明日どうせ二日酔いになるだけだ。」


「 いいでしょ。今日くらい・・・・。」


小さくつぶやいて酒を煽るように呑むリア。






おかしい。俺の記憶では彼女はこんな酒の呑み方はしない。


・・・・・・・・リアは何か泣きたくなるようなことがあっても、


大抵は作り笑顔で周りに悟られぬよう過ごし、独りで抱え込む。


酒の力を借りることもせず、ただ華奢な体に抱え込む。


・・・・・・こんなに浴びるような酒の呑み方をするのは、







それでも癒えない程深く傷ついた時。









何があった、と聞こうとした瞬間、机に額をぶつけそうになる彼女の頭を引き寄せ、俺の肩に寄りかからせ


る。俺にすり寄って穏やかな寝息をたてるリアの髪を梳くように頭を撫でてやると、





かすかに一筋、


涙が頰をつたった。








緋「 藍沢。」


藍「 お前も呑みすぎだ。」


緋「 失礼な。酔っても思考はちゃんとしてるわよ。


　 リア・・・・・空元気だよね。」


白「 うん。昔と変わらないけど、なんか、無理してる。」


冴「 独りで抱え込むとこは変わらないのね。」


藤「 俺達。何にも知らないよな。

　 なんでアメリカ行ったのか、何があったのか。

　 なんで戻って来たのか。」


藍「 ああ。」


緋「 でも・・・・、無理に聞いたらこの子が壊れちゃう気がする。」


冴「 待ってあげよう。話すまで。」


藍「 そうだな。」






リア・・・・・・・・・・・





６年の間に何があった？




俺の肩からずり落ち、膝の上で眠る彼女。




顔にかかる髪をはらってやりながら、




静かに彼女に問いかけた。

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