作者の好きなコ短編集！ (ページ9)

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［ジョジョ/承太郎夢］大人は嫌いページ9

「大人なんて嫌いよ…」

　そう言って、Aは缶ジュースを飲み干した。
「えーっ、A今頃反抗期かァ？」
　と、電柱…もとい、ポルナレフが指差して言う。
「わ、わしも嫌いなのかァッ！？Aッ！？」
　ガタン、と椅子から立ち上がってじじいが叫ぶ。声がでけぇぞ。
「指差すなやポルナ、…アホナ、……」
「普通にポルナレフって呼べッ！！」
「そんなことはどーでもいい。言い方が悪かったわ」
「どーでもよくねーよ！！」
　俺はとっとと早くしろ、という視線を投げて酒(甘酒だが)をグイッと飲む。
「あーのね、親が嫌いってこと。大人全員嫌いって訳じゃないから」
　そうAが言うと、じじいはほっとしたのか椅子に座りなおす。
　だが、いつも頼らないAがこうして愚痴を言っているのだ。俺は、その内容も気になるので聞いてみることにした。
「……なんでだ？」
　すると、バッと視線が俺に向く。なんだよ、聞いちゃわりぃのか？
「あ、ああ……んーと、」
　いつも話に乗らない俺に戸惑っているのか、A唸り声をあげている。
「珍しいな、お前が聞くなんて」
　と、ポルナレフが言った。
「そりゃあ気になるだろ。親孝行だと思ったAがこんな事言うんだからよ」
　ポルナレフとじじいが「ああ～」とでもいうような顔をしている。納得か。
　そうこう言っているうちに思い出したのか、Aはこう言った。
「自分だけ娯楽を奪うこと」
「…？」
　この場にいるA以外の全員が、頭にクエスチョンマークを浮かべた。
「あーー、なんつーか、子の娯楽は奪うくせに自分の娯楽はそのままにするというか。あ、ゲーム機を子供から奪ったから、子供はゲームできないけど、大人は隠れてできるから的な」
　なるほど、わかった。
「…つまり、誰か(A)の楽しみを奪ったからその奪われた奴(A)はその楽しみをできねぇ。だが、奪った奴(B)はできる、っつーことだな」
「なるほどなァ～」
　ポルナレフがやっと理解したようにいう(実はAの説明でジョセフと承太郎はなんとなくわかった)。
「だから私は結婚しない、恋もしない、独身で死ぬ」
　衝撃発言だった。

　Aと別れると、ポルナレフが俺にこう言った。
「堕とせるか、の問題だな。告白できるか、じゃなくてよ」
　一発殴っといた。