はじめての ページ9
大貴side
予定より30分遅刻していったにも関わらず、いのちゃんは笑って許してくれた。
あの日みたいに、ブランコに腰掛けていたいのちゃんは黒色に見えるスキニーに白色に見えるTシャツ、その上に薄着を羽織って大きめの帽子をかぶっていた。
大貴「どこに行くの？」
慧「えっとね…海！」
大貴「海？」
慧「うん！」
此処から海に行くってなると往復で結構かかるんじゃないかな。
慧「大丈夫、帰りもちゃんと送ってあげるから。」
大貴「は、はい！」
俺の思っていることが分かったのか、いのちゃんはそう言ってくれた。
バスや電車を乗り継いで、遠く、遠く離れた海の場所に。
その全ては白黒なのに、いつもより華やかに見えて、すごく不思議。
ザァーっと音がして、海が波を作っている。
そこに着く頃には、空の色はさっきよりも暗く、夕日だけがすごく明るく見えた。
慧「もうそろそろかなぁ」
真っ白な砂浜を歩いて、その声と共に空を見上げる。
海と空が繋がる地平線。
夕日に染まったと思われる広い空。
海に飲み込まれるように沈んでいく。
慧「これがずーっと見たかったんだ」
そう呟いたいのちゃん。
その横顔を見つめると、すごく切なそうで。
今にも消えかかりそうなその声が、俺の心をむず痒くさせた。
きっと何か抱えている。
空がもっと暗くなっていく。夕日はあっという間に海に飲み込まれ、やがて一番星が輝き始めた。
大貴「いのちゃん、この景色見せてくれて…ありがとう。」
慧「ふふ、俺もさ、大ちゃんと一緒に見れてよかった。」
そう言ってまた笑う。俺も笑う。
慧「もうひとつだけ行きたいところがあるの。すぐ近くなんだけど、一緒に行こ？」
大貴「もちろん。」
暗くなってしまって見えにくい足元。
俺の手を握って優しく俺を連れて行ってくれた。
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のん - アオイヨルさん» ありがとうございます！何卒よろしくお願いいたします！これからも更新楽しみにしています♪頑張って下さいね☆ (2021年6月8日 9時) (
レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
アオイヨル(プロフ) - のんさん» のんさん、お久しぶりです。大好きと言っていただけて、光栄です。新作の提案、ありがとうございます。是非、検討させていただきますね。 (2021年6月7日 20時) (レス) id: 64f54fb5df (このIDを非表示/違反報告)
のん - アオイヨルさん» アオイヨル様に、だいぶ気が早いですが、新作の提案です！リアル設定で、大ちゃんの精神系が読みたいです！子役の頃から頑張ってきた彼。周囲に気を使い過ぎてとうとう心が限界を迎えてしまう的なのが読みたいです！ご検討よろしくお願いします！ (2021年6月7日 18時) (レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
のん - アオイヨルさん» お久しぶりです！私、有岡君のこういうお話、大好きです♪次回の更新を楽しみにしております☆ (2021年6月7日 18時) (レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
アオイヨル(プロフ) - ゆきうさぎさん» お久しぶりですね。コメントありがとうございます…！うまく書けるかわからないですけど、よろしくお願いします。 (2021年6月6日 16時) (レス) id: 64f54fb5df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオイヨル | 作成日時：2021年6月6日 12時
