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山田side
取り敢えず大ちゃんの病室の中にその男の子と入る。
大ちゃんのベッドサイドに2つ椅子を並べて、向かい合わせに座る。
背負っていたリュックに鈴付きの猫のキーホルダー。
小さくしゃらんと音を鳴らすと同時に、その子の手元の紙がまた小さく皺を作る。
山田「君、お名前は?」
どこかで見たことある顔だけど、名前まで思い出せない。
「…伊野尾光…」
山田「あ!光くん!そうだよね、ごめんごめん。」
いのおちゃんの弟、光くんだった。
記憶の風化に少しの恐怖を覚えつつ、お話を続ける。
山田「光くん、どうしてここに?」
光「経過観察の診察があってね。……あと、これ大ちゃんに渡しにきたの。」
そう言って、光くんは目線を手元に落とす。
少ししわくちゃになった淡い青色の封筒が、小さな手におさまっていた。
山田「それは?」
光「……にいちゃんが残してたやつ。きっと、大ちゃんに渡して欲しいって言ってると思うから。」
光くんが大ちゃんに目線を移す。
つられて俺も、穏やかな顔で眠る大ちゃんの顔を見つめる。
目に溜まっていく涙を必死に堪える。
山田「大ちゃん。いのおちゃんから贈り物だってよ?ねぇ、いつまで寝てんのさ。」
少しだけ骨張った手を撫でる。
山田「ねえ、光くん。読んでやってよ、大ちゃんに。」
光「………うん。」
光くんは俺の言葉にゆっくり頷いた。
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のん - アオイヨルさん» ありがとうございます!何卒よろしくお願いいたします!これからも更新楽しみにしています♪頑張って下さいね☆ (2021年6月8日 9時) (レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
アオイヨル(プロフ) - のんさん» のんさん、お久しぶりです。大好きと言っていただけて、光栄です。新作の提案、ありがとうございます。是非、検討させていただきますね。 (2021年6月7日 20時) (レス) id: 64f54fb5df (このIDを非表示/違反報告)
のん - アオイヨルさん» アオイヨル様に、だいぶ気が早いですが、新作の提案です!リアル設定で、大ちゃんの精神系が読みたいです!子役の頃から頑張ってきた彼。周囲に気を使い過ぎてとうとう心が限界を迎えてしまう的なのが読みたいです!ご検討よろしくお願いします! (2021年6月7日 18時) (レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
のん - アオイヨルさん» お久しぶりです!私、有岡君のこういうお話、大好きです♪次回の更新を楽しみにしております☆ (2021年6月7日 18時) (レス) id: cf51685787 (このIDを非表示/違反報告)
アオイヨル(プロフ) - ゆきうさぎさん» お久しぶりですね。コメントありがとうございます…!うまく書けるかわからないですけど、よろしくお願いします。 (2021年6月6日 16時) (レス) id: 64f54fb5df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオイヨル | 作成日時:2021年6月6日 12時