【kn】だから先輩が苦手なんです

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コネシマ先輩が知らない女の先輩に引っ張られてしょうがないなとでも言いたげに楽しそうに走っている。



あの人女子の友達いたんだ、女嫌いのイメージがあったから知らなかった。


先程までも沢山駆り出されたからかダルイわ〜と言っているのかへにゃへにゃとゆっくり歩いているコネシマ先輩に親しそうに遅い！と頭をはたく私の知らない先輩。



わるいわるい、とコネシマ先輩が走り出せば今度は逆にその女子の先輩が追いかける側になって、手加減しろー！お前なら着いて来れるやろ！！とここまで聞こえる声はとても楽しそうだった。



女の先輩は髪を上のところでお団子にしていて笑顔が快活で、なんだか見覚えがあると思ったら女子サッカーのエースと噂されてる人。




その瞬間なんだか胸に凄い痛みが走った。

続けて異常に気持ち悪さが込み上げてきて急いで隅の草むらのところにいき木陰で少し休む。





なんだこれ、気持ち悪い、吐きそう、泣きそう。訳わかんないけどつらい。口元を手で押さえていると木陰に人がはいってきた。




「……あれ、Aさんやんな？」



「…こんにちは」



気遣わしげにこちらに駆け寄ってくる姿を見て少し申し訳なくなる。
けど、それより初対面なのになんで名前を知られてるんだ？という思いとまあどうせコネシマ先輩が言ったんだろうなという諦めと、この人といたらまたなにか言われるからどこかに行ってほしいという最低な感情が入り混じった。



「…あ、すまん。俺ら初めましてよな？トントン言います。一応生徒会書記やってんねんけど、知っとる？」



ご丁寧に挨拶してくれた彼は先程まで沢山駆り出されていたはずのトントン先輩だ。

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