24. ページ24
「せん、ぱい」
いつもより掠れ、震えてる声でAはそう言った。
いつも全然表情変わらんくせに顔赤いやん、
照れてやんのかな、かわええ。
そんなことをぼーっとした頭の中で思い浮かべる。
この生意気な後輩のことを好きだと自覚したのはいつのことだったろうか。
初めの頃は素直に先輩先輩、先輩はサッカー上手いですね凄いですねと素直に褒めてきて楽しそうに喋りかけてきていたこの後輩は、俺がコイツのことを気に入った途端めんどくさいことになったとでも言うように雑に接してくるようになった。
今思えば最初の頃のあの無邪気さはまだ中学に慣れていないためとりあえず先輩に媚び売っとこという小学校卒業したてのクソガキとは思えない考え故の行動だったんやろうな。
ショッピ君も最初は愛想良かったし。
まあその手のひら返しのように態度を一変させた2人の後輩をさらに気に入ってしまったのは俺やし。と頭の中で独り言ちる。
そしてそんな後輩を好きになってしまったのも俺。
先程サラッとゾムに暴露されたとおり、俺の好きな女のタイプは巨乳で包容力(物理)があって色気のあるお姉さんな女やった。
ここで目の前で唸っている後輩に意識を向ける。
好きなタイプとはほぼ真反対。性格だってほんまに俺のこと舐めとる。男とばっか仲良くて、すぐ嫉妬させてきよって、(本人にそんなつもりはないんやろうけど)そんなん普段の俺ならビッ.チやんって一蹴しとる、けど、俺もわからんけど。好きやねんな
Aが、困ったようにこっちに視線を合わせてきた。身長差がそこそこあるため自然と上目遣いになる。
「こねしま…先輩」
Aが舌ったらずに言う。かわええ、けど俺の望んでたもんやない。
「孝行先輩やろ」
「こねしま先輩」
「孝行先輩」
「こねしま………たかゆき先輩……」
もうこれ以上は勘弁してくれと言わんばかりに顔をふるふるさせる。
小動物をいじめてる気分になってきた。罪悪感とともに、たしかな背徳感があって困るんやわ
「………ん。許したる」
「これ許す許されないの話だったんですか……」
付き合ったら名前呼びしてもらおか、なんて頭の隅で考えながらまた歩き始めた。
気が早いなんて関係ないわ。俺が落とそう思って落とせんやつなんておる訳ないやろ。
ま、俺が落とそうと思ったのなんてコイツ1人しかおらんねんけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1172人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アキ(プロフ) - ミキさん» 暖かいお言葉ありがとうございます…！ぜひ最後までお付き合いください〜！ (2021年3月8日 16時) (
レス) id: 4f5928c036 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - ひぇ〜...主人公ちゃんを応援する同級生になりたい...すっごくときめきます!!最後まで追っかけさせていただきます!体調にもお気をつけて頑張ってください! (2021年3月8日 14時) (レス) id: 35c3ea89a9 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - きな粉さん» 甘々で読んでくださる皆さんをときめかせられたらいいなーっという思いで書いているのでとても嬉しいです！ありがとうございます〜！ (2021年3月8日 9時) (レス) id: 4f5928c036 (このIDを非表示/違反報告)
きな粉 - 遅い時間に申し訳ありませんー！この作品すっごい心臓がなんかギュンギュンする...。めっちゃ少女漫画みたいに甘々ですきです。応援してます！ (2021年3月7日 0時) (レス) id: 4450df5064 (このIDを非表示/違反報告)
くー(プロフ) - アキさん» はっすみません、そこまで知らなかったです。わざわざ解説までありがとうございます！ 最後まで絶対追っかけさせてもらいます（予言）（笑） (2021年3月4日 18時) (レス) id: 70199b7489 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アキ | 作成日時：2021年2月22日 19時
