ベリーオン！

▲あの時の秋 ページ8

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流星が３歳 望が２歳
夏がもうすぐで終わりそうな季節、そこらへんではすでに銀杏のにおいがするそんな時だった





昔から身体が弱かった嫁さんは、２人の宝物を俺にくれた


正直先生には、望が産まれた時はその時だと思ってくださいって言われてて。怯えてた


けどそれから２年も彼女は生き延びた。最後は２人の手を優しく握りながら、俺に微笑みをみせてそのまま目を閉じた




今でも覚えてる。あの時の光景



小さい２人はもう母ちゃんが話されへんなんてわかりっこなくて
俺は２人を抱えて１人静かに涙を流した






『ありがとう』




最後に彼女は掠れながらも言った言葉


何がありがとうやねん
そんなんこっちが言いたいわ。




流「ぱぱ〜泣かへんの」



望「いたいの？どこかいたいの？」



崇「こころがいたいねん」



可愛い２人の宝物をくれた彼女に、俺を大好きになってくれた彼女に、ありがとうって伝えたい。
たくさん伝えてきたけど、まだまだ足りなくて



流「ここだよ、こころ」


望「ここがいたいん？」





俺の心にそっと小さな手が添えられて、優しく撫でてくれる２人





毎日寝る前には、今日も空から見守ってくれてありがとうと言っている。


小さい頃の２人は、だれにいってん！って微笑んでたけど、いつしか一緒に並んで言ってた

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