ベリーオン！

△進路 ページ6

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崇「流星は？なんか欲しいもん言うてた？」



流星と望は仲がいい。
双子かっちゅうくらいお互いの事を分かってる

だからこうして毎年お互いの欲しい物を交互に聞いて、片方にはサプライズのようにプレゼントを渡してあげてる

それが外れたことないから、やっぱり兄弟ってすごい…





望「今年そういえば聞けてへん」


崇「聞いといてや」


望「あ、でも」



食べてた箸をとめて、望は話を続けた



望「スーツとかいいんちゃう？」


崇「スーツ？あー…」


大学の入学式とか。確かスーツだったっけ
俺のお下がりじゃ入らないし、ちゃんとした新しいの買ってあげたいけど




崇「それは入学式の時に買うわ」



望「ん？入学式？」



崇「え？そのスーツじゃなくて？」



望「社会人にはスーツが必要やん？」


崇「しゃ…、え？社会人？」


望「そ、社会人」


最後の一口を頬張る望と
開いた口が塞がらない俺。




望「あれ、何も聞いてないん？」



当たり前かのように言った望は、ごちそうさまでした〜と丁寧に手を合わせて、食器を下げてそのまま風呂場に行ってしまった






思えば流星とは、進路について話したことがなかった

自分の進みたい道があるなら、否定しない。応援してあげたい。

小さな頃から、父子家庭だからって我慢させたくなかったから。
「あれやりたい」「これやりたい」はなるべく叶えてあげてきてつもりやった


だからてっきり、進学したいって言うもんやと思ってたし、行きたいんやろうなって思ってたのに


まさか就職するなんて…

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