バレンタイン短編集 (ページ15)

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# ページ15

青さいど

俺の好きな人には好きな人がいます。

好きな人の好きな人は濵ちゃん。

つまり

俺が好きなのは望。

もう終わった。

そもそも好きな人の好きな人を知っている。

その時点で

俺の恋は叶わない事が確定しますよね。

なんで好きになったんやろ。

.

.

今まで望とふたりきりで遊ぶことはあった

だけど

聞かさせるのは濵ちゃんとの話。

つまり惚気話。

望と話せることは嬉しい。

だけど惚気話を聞きたいわけじゃない。

つらすぎる。

俺はどうしたらええの。

望に恋をしてから

何度も過ぎていったバレンタインデー。

俺が望にチョコを渡すことによって

望にとっては迷惑になるんじゃないか。

そう考えると

望のために何時間も考えて選んだチョコも

自分が食べることになってきた。

そんな苦い思い出ばかりのバレンタインデー

.

それが今年もやってくる。

渡したい、

想いを伝えたい、

だけど俺にはできない。

恥ずかしいとかそんなんじゃなくて

望のことを考えれば考えるほど

伝えたらだめだ、

そんな結果を導いてしまう。

NEXT YELLOW