畑の6月生まれ

20（やふたな） ページ21

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ようへいside






やっと、理解できた。





たなっちが俺に対して言う 好き は、

おれがはじめくんに対して思う 好き と一緒で








ほかの男に 嫉妬 したんだ。









「たなっち、おれははじめくんのことが好き
…………だとずっと思ってたんだけど
たなっちにアピールされて
今も嫉妬…？してくれてたんでしょ？
少しは変わったと思うたなっちに対しての感情とかが。」






た「……………はい」




「たぶんなんだけど、悔しいけど
おれがはじめくんのこと好きっていう感情よりたなっちが、俺のことが好きっていう感情の方が強いんだよね？
たなっち…ずっと努力してきたんでしょ
勇気だして起こしてくれたりさ…？」




た「そう…かもしれないですね。
僕はようへいくんの事本気で好きですよ。」









いつの間にか俺の手首を握るたなっちの手は

離れられるほど力が抜けていて





たなっちの頬には涙も伝っていて

声も震えていた。





でも俺は握られた手首を振りほどこうなんて気はもう無かった。









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怖かったんだろうな




俺への思いを打ち明けること

会話をすること

あのおんぶの企画の時だって緊張してたのかな




もし俺がはじめくんとペアだったら

あんな平然と動画撮っていられなかった。









そんなたなっちの努力に

心を動かされていた。



今考えてみるとたなっちはずっと俺の事を想ってくれていて

心の底から嬉しいと思えた。









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「たなっち、俺の負けだよ」



た「え……？」








握られていた手首をほどいて

改めて握手の形になおした。









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「はじめくんの事はキッパリ諦める。

たなっちの事はまだ友達だし、仲間だけど…
これから俺がたなっちを好きになるように
色々してください。

たなっちの努力を裏切りたくないし
正直可愛いと思った。


だから、俺でよければ付き合って下さい。」








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