揺れ動く太陽 (ページ29)

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青

その後も俺は

しげの手をひいていろんな所へ行った。

神ちゃんとしげが通っていた小学校中学校

神ちゃんが通っていたという塾

しげの家の近くの神社に行くと

『昔2人でよく夏祭り行ったなぁ』

そう微笑んで言った。

よく4人で遊んだ川

4人で通いまくったゲーセン

いつも4人の集合場所に使われるコンビニ

いろんな昔の思い出が蘇った。

しげに思い出してもらおうと

色んな場所をまわった。

でも俺まで色んなことを思い出した。

楽しかった

場所を巡るだけでも

こんなに楽しいなんて思ってもいなかった。

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少し薄暗くなり公園のベンチに腰かけた。

しげは自動販売機でりんごジュースを買っていて飲んだあと俺にくれた。

「どうやった？思い出した？」

赤「おん………でも、なんで…」

「俺さ、神ちゃんの事が好きやねん。
いや、好きだった。」

赤「………だった…」

「しげに、思い出して欲しかった。
神ちゃんとの、俺らとの思い出と、
しげの神ちゃんに対する本当の気持ちを。」

空を見上げながら

なんとなく神ちゃんの顔を思い浮かべて

今日の行動の意図を伝えた。

しげは何も言わなかった。

……その反応は図星でええんやろ？

本当は神ちゃんの事が好きで忘れられない

それで合ってるんやね？

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「神ちゃんには好きな人がいた。
だから俺は神ちゃんのこと、諦めた。

好きだったって言うか、
間違って好きになってしまった、の方が近いんかな。

あと、好きな人の恋ってさ
応援したくならん？」

赤「そ、それと俺に、なんの関係が…」

「まだ気づかんの？」

赤「……………」

「もう、気づいてるんちゃう

しげと中間くんは絶対上手くは行かないって

しげは本当は神ちゃんが好きなんやって。」

赤「なんでっ……」

「ちゃんと考えろ、しげ。
早くせんと俺が神ちゃんの事奪うかもしらん

俺だって我慢してんねん。

でもな俺は神ちゃんに幸せになって欲しい」

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座り直して

しげと向き合った。

しげの両手を握って目を見つめた。

困った顔をしていた

迷っていた

どうしたらいいか分からないような顔で

しげは俺の目を見つめ返してきた。

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