ｼﾞｬﾆｽﾄ短編小説

青×赤 ページ30

「「ヘアピン」」







ある日、気まぐれな先生の言葉によって

突然席替えが行われた男子校 2-A





新しく隣になったのは

金髪ヤンキーイケメン出席番号21番の

藤井だった。





「おぉよろしく、重岡…やっけ？」


「え、おっおん、そうやで、よろ…しく」






おれははっきり言って関わりたくなかった。

怖いし金髪やし。



見た目で判断するのはよくないと思うけど

この人

週に2、3回は指導室に呼び出しくらってる。




だからあえて、

このクラスの人々は 藤井 に関わろうとしないんです。


となりになってしまったら最後。


休み時間中はきっとこいつにからまれる。







そう思っていた矢先に1回目の休み時間がきた、

いいや、


きてしまった。







とにかくトイレに逃げようと席を立とうとすると、




「なぁ、重岡」




…はい呼び止められた、人生終わった。


一応振り返って 『なに…？』

そう言ってみると



彼は何故かカラフルなヘアピンを持っていた。






「…え？」


「重岡さ、前髪邪魔そうやからピンでとめたらどお？」




そういえばしばらくきってない前髪。



『え、うん…』

怖くて拒否できずそう答えると


『座って座って』

そう促されおれは席についた。





当たり前のように前髪を触られ

ピンでまとめられる。



怖くて怖くて仕方なかったけど、

近距離で見る藤井の顔は綺麗すぎて、

見とれてしまった。









休み時間がおわって、授業中。


頭の中は藤井の事でいっぱいになっていた。

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