負けず嫌いな女の子VSぶりっこ女の子

○ともくんに感謝の言葉を……　3 ページ26

「《こんなに、みんなを、大切な人を苦しめてえんか？》って、


　《仲が良かったのに、こんなことで絆を崩すんか？》って。


　でも、みんなとは今までどうり仲良く接することはできずに、


　そっけない態度で返事を返してまううちにたいしてみんなが怒鳴った。


　みんなは普通やった。


　怒りたくなる態度やった。


　せやけど、


　せやけど、


　みんなとは違う考え方をしてる、杳に腹が立った。


　みんなが言ってる言葉をうのみにしてる態度に腹が立ったんかな？


　「私たちのことがうらやましいんでしょ？」


　「なんとか言ったら？」


　「殴りたいなら、殴ればいいじゃない」って。


　うらやましい気持ちもあった。


　せやけど、杳にはこんなこと言われたくなかった。


　杳が、ここまで頑張ってることも知ってる。


　でも、杳がデビューできたのは完全にうちのおかげなわけで、


　なのに、自分のことのように、


　自分が、自分だけが自分だけの力でここまでやってきたって言ってるような、


　杳が嫌やった。


　「なにいってん？」


　「殴ってええんならもっと前から、みんなのこと殴ってる！」


　「でも、ここにいるみんなは、ここまで頑張ってきた、


　ここまで一緒に、必死になってやってきた大切な人やから、


　殴られへん！殴りたいんはそっちとちゃうんか？」


　はじめて、大切な人たちの前で大声を上げた。


　怖かった。


　貶されて何も言えんくなる自分が。


　みんなが言ってることをただ言い返さず、


　耳にして、


　こぶしを握り締めてるのが。


　そこから、メンバーとの距離ができた。


　変わらず接してくれるのは、


　智くん、


　流星、


　のんだけやった。


　ずっと一人行動をして、


　ダンスのレッスンも、


　歌のレッスンも、


　みんなより長い時間やって、


　個人練習もやって、


　せやのに、まだうちのことをしゃちょーはみてめてくれへんで。


　でも、誰より、誰よりも練習をしてたことは確か。


　うちは、もうなにも言わんかった。


　しゃちょーに、うちもWESTとして活動させて下さいって。


　そういったら、8人のデビューは破棄になるかもしれん。


　それが嫌やった。


　8人だけでも、


　てっぺんを、


　最高の頂の景色が見れるところへ行ってほしかった」

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