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桃side
何が言いたいか、わからんかもしれへんけど、これだけは頭に入れとってくれや、照史も、神ちゃんも大切な人を見て、大切な人に支えられとったんや。もし望が、俺らを大切な人って思ってくれてんやったら、黙って俺らに支えられとけばええ。流星やって、恋人がこんなふうに頑張って看てくれてること、理解してるはずやで。」
何故か涙が溢れてくる、いや何故かなんて曖昧な言い方はできひんな。愛されとるって思えた、それは確実に濱ちゃんの言葉もそうやけど、頭を巡る、仲間の6人や、その他の先輩後輩やら親やら、俺を支えてくれとった人がいるって再確認出来たからやな。
「2年前、望が医者になりたての頃、流星が喘息をおこしたことあったやん、しかもその時に限って神ちゃんがおらんかった。その時はシゲが神ちゃんの見よう見まねで繋いでくれとったんやけど、望はまるっきり動かんねん、石化したかのように固まってなぁ、
それと比べて、今日は全然違ったやろ?望が率先して動いて、処置してくれたお陰で、流星は神ちゃんが来るまでヤマが酷くなること無かったやんか。それは、望がちゃんと成長しとる証拠やから、
やから、望はなんも気にせんと、これからものびのびしとってくれ、誰かを救うために真剣になってる姿、立派な医者やなって思うよ。」
20代も後半にかかるなんて言うのに泣きじゃくる俺の背中を、濱ちゃんはそっと撫でてくれた。俺はもう迷わん、この6人がいてくれる限り。ふと、濱ちゃんとは違う温もりを感じた。
智「のんちゃん、今日の処置よかったで。偉かったなぁ。」
流「ありがとな、望。」
ふわりと微笑む2人に、俺は笑って見せた。そのまま濱ちゃんは神ちゃんだけを連れて、ベランダから出ていった。神ちゃんが流星に目配せしているのを見て、やっぱり同い年やななんて思った。
流「望は、子供好きか?」
突然にそんなことを聞く流星。そんなの当たり前やん、俺は子供が大好きやから、小児内科の先生になったんよ。だから俺は流星が求める最高の回答をしてやった。
「流星は子供すきやろ?」
しっかり当たっとったみたいで、嬉しそうにする流星。これはやっぱり、子供で結ばれた俺らにしか出来んことや。三日月と半月の間の月。そんな月の下で、俺らは、普通のキスを交わした。
目を冷やそう、と言ってリビングに入ると、そこに神ちゃんはおらんかった。あーあ、お礼言いたかってんけどな。まぁ一緒に住んどるし、帰った時にでも。
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作者名:Kamisuekado | 作成日時:2022年2月6日 22時