苦手1 ページ13
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せっかくのオフだから、たまには一人で出掛けようと思ってたけど、生憎の天気。
雨でさえも嫌なのに、雷まで鳴りそうな天気で。
悩んでるこんな時に限って…と気分まで落ちてしまっていた。
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窓の外をボーッと眺めていると、いつからかスマホが振動していたことに気付く。
ゆっくり手に取ると、そこにはしげの名前があった。
『もしもし。』
「A?俺やけど。」
『うん?』
「今からAん家行くわ。てかもう着く。」
『……え!?』
ピンポーン
急に電話が来たと思ったら、あっという間に切れて。
瞬く間に家のチャイムが鳴り出した。
速すぎる展開に頭が追いつかない。
ピンポンピンポーン
とりあえずドアを開けないとね。
ガチャ
『しげ「お邪魔します〜。」
『ど、どうぞ…。って、全身ずぶ濡れだよ?』
「あ…。」
自然に部屋へ上がりこもうとするしげだけど、服も髪もびしょ濡れだ。
『待ってて、タオル持って来るから。』
「悪いな。」
タオルを用意しながら、なんで普通に会話してるんだろう?と疑問が浮かぶ 。
でも、寒そうにくしゃみを連発する彼に細かいことは全部吹っ飛んでしまった。
『大丈夫?はい、タオル。』
「さんきゅ。」
一緒に拭いてあげながら、拭くだけでは済まなそうなその姿に思わず口が動く。
『お風呂入ったら?』
「いや、ええよ。」
『風邪引いちゃうよ?』
「…借りるわ。」
『ちょっと待っててね。』
急いで準備に取り掛かる。
準備が整って声を掛けようとした時。
「そういや俺の服ってあんの?」
『一応あるけど。』
メンバー何人かで以前泊まった時の服がまだ残っていたはず。
それを確認したしげは、そう…と呟いてお風呂場へと歩いて行った。
あ、結局なんで家に来たのか聞いてないや。
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作者名:しげのん。 | 作成日時:2014年10月1日 11時