第２話 ページ10
◆side:中間淳太
『それでは、続いてのニュースです。』
朝。
今日はテレビでニュース番組を観ながらの朝食。
照｢物騒な世の中になったもんやねー。｣
俺の向かいでそんな事を言う着物姿の男は、桐山照史。
その正体は≪管狐≫、別名≪飯綱≫という、憑き物筋の妖怪のひとつ。
そして俺こと中間淳太は、そんな管狐の操り手、所謂≪飯綱使い≫や。
淳｢妖怪の照史がそれを言うか？｣
照｢でもさ、淳太くんにとっては死活問題ちゃう？｣
淳｢んな事ないよ。それに、事件に遭遇する確率なんてそんなに高くないで？｣
照｢むー・・・そういうもんなん？｣
淳｢そういうもんや。｣
管狐の照史の、本来の姿は狐や。
せやけど普段は、人間の姿でいることの方が多い。
本人いわく、人間の世界で暮らすのが好きだから、と。
妖怪の世界にも千差万別、いろんな奴がおるんやな。
淳｢ほら、世の中を憂いてるのもいいけど、そろそろ出掛ける時間やで？｣
照｢あ、待って待って！｣
食器を片付け始めると、照史は慌てて料理を口に詰め込み始める。
こういうとこ、ホンマに人間らしいよなぁ。
淳｢・・・・・・さて、と。｣
食器を下げ、それを洗って。
最低限必要な荷物を持って玄関へ。
そして、ドアを開けて・・・
淳｢？！｣
何かが崩れる音と衝撃が、突然襲いかかってきた。
照｢淳太くん大丈夫？！｣
淳｢いや、俺は平気やけど・・・｣
それよりも、あの音と衝撃の正体や。
そもそも、何処からのやったんや？
淳｢・・・照史、音のした方が何処か、分かるか？｣
思わず、そう訊いていた。
でも、音のした、あの方向。
何となく、覚えのある方向。
嫌な予感がする。
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