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お狐様と裁判所 ページ37
◆
その日は、突然やって来た。
照｢淳太くんごめん！ オレ、しばらく行かなアカン所があって・・・｣
ある日の朝。
仕事に行く準備をしているところに、照史が突然そう切り出してきた。
淳｢行くって何処？｣
照｢えーと・・・秘密や秘密！｣
淳｢・・・ふーん？｣
場所を訊いても。
誰かと会うんかと訊いても。
照史は一切答えてくれへんかった。
(怪しい・・・)
今まで、こんな事はなかった。
・・・と思う、俺が記憶してる限りでは。
照｢たぶん一週間くらいで帰ってこれるから！ ホンマにごめんな！｣
淳｢ちょっと！・・・あー、行ってもうた。｣
竹筒は置いていったけど。
それでも、有無を言わさず。
淳｢・・・ていうか、ボディガードおらんで俺はどうすんねん。｣
おばけ、妖怪、モンスター。
人間ではないものが見える俺のことを、狙ってる奴らは実際多い。
それでも今日までそれなりに平和に暮らしてこれたんは、照史のおかげ。
逆に言えば。
照史がおらんかったら、何度も命の危険があったってことや。
たぶん、おそらく。
淳｢さて・・・・・・、｣
困った。
淳｢あ、そうや。仕事・・・｣
・・・どうやって行けと。
淳｢・・・・・・えーと。｣
とりあえず、ボディガードのピンチヒッターや。
電話、してみるか。
淳｢・・・あ、もしもし。藤井さんですか？｣
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