≪01≫成り行き怪異探偵さん (ページ22)

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犬神と白稚児ページ22

照｢電話してきた。休んでええって！｣

淳｢おう・・・ありがと照史・・・｣

照史が電話から戻ってくる頃には、俺の体調はいよいよ悪化してきていた。
全身怠くて、チカラ入らへん。

照｢あ、あぁー・・・なるほどなぁ・・・｣

そんな俺を見て、照史は何かに気付いたみたいやった。

淳｢・・・なんか、分かったん？｣

照｢たぶんやけどなー。ちょっと我慢してな？｣

淳｢えっ？｣

ぼんやりする視界の中で、照史は本来の狐の姿に変わる。
そして、突然こっちに向かって突進してきて・・・

淳｢〜っ？！｣

俺の身体の中を、通り抜けた。
その瞬間、激しい痛みが。

照｢コレが“気怠さ”の正体や。｣

ベッドに倒れ込みながらも、どーにか視線を後ろに向ける。
痛みに視界がぼやけて、照史が持ってる“ソレ”を認識しにくい。

ソレはどうやら、首だけの・・・

淳｢・・・・・・いぬ？｣

照｢そう、犬。──────≪犬神≫ってやつや。｣

今にも噛み付いてきそうな犬の首。
照史はそれを、しばらく眺めてたかと思うと・・・

照｢・・・ん、まぁまぁやな。｣

それを、何の躊躇いもなく｢食べた｣。
比喩とかやなく物理的に、普通にお菓子を摘むように。