迷子の流れ星 ページ19
◆
淳｢ホンマに大丈夫なんかなぁ・・・｣
あの後。
結局言いくるめられて、流星は藤井さん家で暮らすことになった。
藤井流星。
響きとしては、悪くないな。
照｢それにしても藤井さん、凄いよなぁ。｣
崇｢ホンマになぁ。普通逃げるって。｣
淳｢その前に警察沙汰やろ・・・｣
みんな感覚が麻痺してんのかなぁ、やっぱり。
照｢まーでも、お友達増えて良かったやん！｣
淳｢・・・そういうことに、なんのか？｣
崇｢たしかにそうやな・・・おめでとう！｣
淳｢・・・・・・。｣
さっさと認めよう。
俺は、友達と呼べるような人が殆どおらん。
霊感があるっていうんは、それだけで友達作りに支障をきたすハンディキャップってことや。
・・・まぁ一応、照史とハマちゃんは友達って言える存在やけど。
そのうちのひとりは妖怪や。
もうこの際、人間の友達は諦めるべきなんかな？
崇｢あ、じゃあおれ、こっちやから。また明日な！｣
考え事をしてたら、いつもの分かれ道。
俺らは直進する所を、ハマちゃんは右折していくんや。
淳｢おう、また明日な。｣
照｢ハマちゃんバイバイ！ また明日なー！｣
崇｢気ぃ付けて帰れよー！ 照史もまた明日なー！｣
いつも通り、賑やかな別れの挨拶。
静か過ぎるより、うるさいくらいの方がええよな。
照｢んー、やっぱハマちゃんとおると落ち着くわー。｣
淳｢分かる。なんか穏やかになれるよな。｣
照｢な！｣
そんな会話をしながら、いつもの帰り道を辿る。
そして、その途中。
淳｢照史ストップ。｣
照｢ん？ あぁ、いつものお参りな。｣
御百度参り超えてんちゃう？と、茶化すように言う照史。
でも、何やかんやでいっつもお参りには付き合ってくれるんよな。
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