迷子の流れ星 ページ12
◆
？｢・・・・・・・・・、｣
照｢あ、動いた！ 淳太くん！｣
淳｢待って、今行く。｣
あの後。
彼をこのまま放置するのもアレやって事で、藤井さん家のソファに彼を寝かせることにした。
一応許可は取ったけど、彼ら一家は揃いも揃って快諾してくれた。
｢何か面白そう｣なんて笑いながら。
・・・自分ちの前に人が倒れてたっちゅーのに、随分と楽観的な一家や。
そして俺は、完全に巻き込まれた形になった。
≪怪異探偵≫として。
仕事は確実に遅刻や。
その電話を店長さんにしたら｢お土産話待ってるでー｣なんてエールを貰った。
・・・どいつもこいつも、何でそんなに楽観的やねん。
？｢・・・・・・あれ、ここ、は？｣
淳｢アナタが倒れてた家の中ですよ。｣
？｢家の、中・・・｣
寝ぼけているのかなんなのか。
ゆっくりとたどたどしい口調。
照｢体調どうですか？ 痛いとことかない？｣
？｢無い、んですかね？｣
淳｢いや、分かんないです。｣
何となく、自分の事すら分かってへん感じがする。
記憶喪失とかとは、また違う感じやけど・・・
それに、もうひとつ気になること。
それは彼の身体が、淡く光り続けているということ。
明滅の増減はあるけど、とても綺麗な。
・・・ちょっと待てよ。
これ、もしかすると、もしかするんちゃうか？
淳｢あの、ごめんなさい。窓の外は見えますか？｣
？｢？ はい。｣
淳｢アナタがいた場所って、もしかして彼処ですか・・・？｣
彼の視線が、俺の指の先を追う。
そこには、燦々と輝く太陽と残月の浮かぶ空。
？｢そう、です。｣
しばらく空を見上げていた彼は、やがて小さく頷く。
予想──────推理は、当たったみたいや。
彼は、空からやって来た。
おそらく、流れ星や。
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