≪01≫成り行き怪異探偵さん (ページ25)

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犬神と白稚児ページ25

◆

というワケで、やって来た公園。

そこは、決して人通りが多いとは言えへん場所。
ただ、此処は近所の保育園児達の散歩コース。
見つかりにくく、かつ人通りが多い場所。
呪いの条件としては、適した場所や。

淳｢あー、たしかに何かあるな・・・｣

前に此処に来た時には、感じなかった違和感。
明らかに違う空気を、ひしひしと感じる。

照｢この辺りか？｣

照史は、それを俺よりも感じ取っているみたいやった。
少し離れた場所にある木の根元に、手を伸ばして・・・

？｢誰か・・・助けて・・・・・・｣

明らかに、人の声が聞こえた。

淳｢っ、照史どけ！｣

また呪いが降り掛かるかもしれへん。
そんな事も忘れて、その場所を掘り返す。

爪の隙間に砂利が入り込む。
その先が割れて、血が滲む。

その痛みすらも忘れて、ひたすら掘り返す。

そして、現れたもの。
それは首の無い、日本犬らしき犬の胴体。

淳｢・・・死んで、る。｣

もちろん、多少の覚悟はしていた。
でも、実際に目の当たりにすると、やっぱり話が違う。

照｢これが媒体か・・・｣

固まったまま動けへん俺の隣で、照史が呟く。
そしてその手を、穴の中へ翳して・・・

照｢とりあえず、これ以上は感染させんようにせなアカンから。｣

青い焔が、辺りを包み込んだ。

淳｢・・・・・・・・・。｣

明らかな、人の悪意。
それを消滅させる焔。

酷く残酷な光景のはず。
それでも、立ち上る焔と頭上の青空のコントラストは、哀しい程に美しかった。