守りたいもの (ページ28)

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27話ページ28

「お前達の為だったんだ。」

「は？今更意味わかんねえよ。小さい頃に母さん捨てて、ここ最近Aのこと傷つけて、こんな俺でも雇ってくれた職場ボロボロにして、何が俺たちのためなんだよ。」

「ねえ、勝利。落ち着こ？お父さんも何か事情があったんだろうし。お兄ちゃん達が望んでこんなことしたんじゃないっていうのはさっきまでの会話で分かったからさ。お父さんも座って？」

Aは勝利を庇うように、父親の前に立ち、座らせようとした。

「A！あかん！親父に近づくな！」

淳太が急に叫んだ。

Aは父親に捕えられ、首にナイフを当てられた。

「おい、兄貴、これどういうことだよ。」

「見たら分かるやろ。親父の命令やったんや、全て。」

「おい、淳太。お前はほんまに使えへん息子やな。Aを連れてくるのは遅いわ、ちょっと昔の奴が現れたからって直ぐに裏切るわ。こんなんやったら勝利を連れてった方が良かったかもなー？」

急に関西弁になる父親。Aは恐怖で言葉が出なくなった。

「じゃあ娘は預かるわ。邪魔したのう。あ、勝利。職場は元に戻したるからな、安心せえよ。」

そう言うと父親はAを連れて車で去ってしまった。