守りたいもの (ページ20)

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19話ページ20

Aは工場まで全力で走った。

勝利に助けを求めるため、優太の無事を祈って。

工場に着いてすぐ、入口近くに立ち止まる人が。

「マリくん？」

「Aちゃん……っ！」

泣きそうな顔になっているマリウス。

「マリくんは無事だったんだね。」

「うん。たまたま休みだったんだ。それで、ドイツから来てくれたお姉ちゃんと出かけてたんだけど……。」

「勝利も急いで駆けつけたみたいなんだけど……。」

「入り口が瓦礫だらけになってるんだ。みんな閉じ込められてる。」

「マリくん、頑張って取り除こう！」

方法はそれしかない。やるしかない。

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「行かせねぇよ！」

必死に淳太の足にしがみつく優太。

「しつこいなぁ。邪魔やねん！」

優太の腕を蹴る淳太。

「行くな！頼むから！Aは傷つけないでくれ！」

「……そんなこと分かっとるわ。」

淳太の呟きが優太に聞こえることはなかった。