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深刻な顔して話すシゲに
視線逸らすことなんて出来んくて…
「だけどAには幸せになってほしいねん。
小瀧を好きなAが輝いてたねん。
簡単に小瀧以外の男に奪われとるAなんてみたくあらへん。」
「今は望も可愛ええ彼女いて幸せで
私も格好ええ流星って彼氏おって幸せで」
「それは本音か？小瀧もお前もそれは本音か？
後悔してへんか？自分の決断に…
こうなる前にほんまは違う決断あったんやないかって…お前達の決断早かったんやないんか」
シゲの言葉が胸に突き刺さる。
自然と涙が溢れてくるんはなんで？
「…っそんな、はずないわ…後悔なんてしてへん…大丈夫やもん…大丈夫…」
「大丈夫じゃない奴こそ大丈夫なんて言うもんなんやで。」
優しい笑顔で私の涙を指で拭うシゲは
悲しそうに微笑み
「ほんまは抱き締めてやるのがいい男がやることなんやろうけど、Aにはもうちょい考えて欲しいねんな…もちろん小瀧もやけど…」
そう言いハンカチ渡してきたシゲに
「ありがとう…シゲ…」
心の何処かで手探りしながら歩く私は
扉を探しながら悩んでいた。
でも気づきたくないと
気づかなければならないとの
焦りで…
でも気づいていた。
望の事引きづっててまだ忘れられんくて…
流星を利用してる形で…
どうしたらええか分からん。
「A！！」
と叫んで私を前から抱き締める香りは、
心の底で求めていた温もりと香りやった…
「ほな俺バイト行くからな。」
そう去って行くシゲに頷くと
「…のぞ、む…」
顔を上げると頬を撫でながら深く口付けられ
舌を絡めとられ苦しくなり胸をとんとん叩くと
離れる唇と唇に名残り惜しくなるも…
「知奈に…ほんまの気持ちちゃんと伝えたらもうええから行けって…
Aさんに謝っておいてって…」
望はそう申し訳なさそうにするも
私をもう一度力強く抱き締めてきて
「好きやねん…やり直したい…」
私の形にしてきた気持ちがゆっくり崩れていくのが分かった…。
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作者名：maron | 作成日時：2018年12月18日 3時
