#_028 −過去− ページ28
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Aside
高一の冬、
そこそこ有名なミスコンに応募した。
クラスメイトに半ば強引にだったけど。
予選、本選、と続々と進んでいき、
ついに、決勝まで行ってしまった。
こんなに勝ち進めると思っていなかった。
司「それでは…グランプリを発表します!」
観客席には、魁皇高校の生徒達や、
今のクラスメイト。
あ、翔だ。
翔と目が合うと、手を振ってきた。
軽く私も振り返す。
『茅野…さん?』
話した事のない茅野さんが居た。
同じクラスだけど、一度も話した事が無かった。
茅野さんは、手を握って祈っているようだった。
司「グランプリは…
西宮Aさんです!」
『……えっ?』
やったー、と私の友達が声を上げる。
私が…グランプリ……か。
素直には喜べなかった。
ふと、茅野さんに視線を向けると、立ち上がった。
そして、とても喜んでいた。
『…ふっ』
少し笑みが零れた。
あんな風に
私以上に喜んでくれる人がいるのは、
久しぶりの感覚だった。
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それからは、芸能事務所への勧誘も増えた。
でも、私はそれをキッパリと断った。
学校へ行くと、ミスコン王者という肩書きがついて回って、
仲良くなかった人まで話しかけてくるようになった。
でも、
私にはそんな肩書きは要らなかった。
そんな物があったって
本当の友達なんてできない。
皆、私の外側を見るだけなんだ。
だったら、こんなモノ捨ててしまいたい。
そんな時だったんだ。
___澪奈と出会ったのは…。
澪奈は、他の人達と比べて、
私の外見だけじゃなくて、内面まで見てくれた。
本当の友達になれた気がした。
澪奈のおかげで、私は他の人達とも話すようになった。
澪奈には、とても感謝している。
…だけど私は澪奈を救えなかった。
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作者名:ちょこみんと。 | 作成日時:2019年3月2日 19時