約束。【Yuri.C】 4

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上から降ってきた明るい声色に、




涙をこらえて顔を上げると、









あー誰だっけこの人、







Aにハンカチ拾ってあげてた…、








知｢やおとめ、？｣




思わず呼び捨てにしてしまってから、

慌てて先輩、とつけたす。







やおとめ先輩は八重歯を見せて無邪気に笑うと、






光｢あー、ヒカでもなんでも呼んでくれていいよ、

少なくとも山田からはそう呼ばれてる｣







急に一年の下駄箱に来て、なに言ってんだろこの人…、





と思ったら、







.







光｢そだ、Aちゃんは？

俺さ、一回Aちゃんに折りたたみ傘借りててさ、



今外雨降ってるよね？

だから返さなきゃマズイと思って｣








Aがこの人に傘貸してたとか、




そんなの今知った。









僕、









.








.






Aのこと知らなさすぎる…。









光｢彼氏帰ってないってことは、Aちゃんもまだいるよね、学校？｣






え、なんでそうなんの、






光｢じゃあさ、この傘、Aちゃんに返してもらうことできる？｣








.








知｢……まぁ、良い、けど｣





やおとめ先輩…ヒカ、で良いんだっけ？



ヒカは、またにこーっと笑うと、







やべ、薮かなんかに傘入れてもらおー、


男同士で相合い傘とか、キモチワルイけどー、







とかなんとか、ブツブツつぶやきながら二年の下駄箱の方へ消えた。

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