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優斗side







高「なーに泣いてんの」





Aはサークルの同期兼職場の同期。



泣いてるのなんて見たことないからびっくりした。





高「しんどいよな、寝てていいよ


こっちもたれかかって大丈夫だから、」





「ちがう、」





聞こえた小さな声。





「久しぶり、に、ひだかに会えたのが嬉しくて、」





高「久しぶり?やっぱ喧嘩でもしてんの?



あいつ、Aちゃん具合悪いんですか、とか言ってたよ



てかさ、喧嘩してても言っとけよ、薬入れるクールくらい。



その方がAだって楽でしょ」






そう言うと、涙の量が増えて焦る。






しばらくの沈黙のあと、聞こえた言葉に耳を疑った






「別れた」





高「、は?なんで?」





あんなにラブラブだったのに、なんで?






「ひだかに、迷惑かけたくなかったから」





それって、もしかして






高「、じゃあ浮所って…





Aが病気ってこと、知らないの、?」







俺の言葉に小さく頷くA。






「分かったその日に別れようって、言った



冷たい言葉で突き放したの、ひだかのこと」





「メッセージも電話も、全部無視した



家に来てくれたけど、会わなかった」





「なのに、こんな酷いことした私に



わざわざ会社まで来てくれて、



なんであんなに優しいんだろ、なんで」






少しずつ溢れていく、Aの想い。



俺は言葉を発せなかった。




誰にも何も見せずに、どれくらいのことを一人で抱え込んできたんだろう






「ひだか、ちょっと痩せてた、



ちゃんとご飯食べてるのかなぁ、



…私のせいなのかもしれない、けど」






そう言うと、しゃくりあげはじめて



なんかちょっと呼吸も怪しくなってきて。






高「わかったわかった、ちょっと一回落ち着こ、



このままだともっと辛くなっちゃうから」






断りを入れてマスクを外し、華奢な肩を引き寄せる。




触れた体から伝わる熱は尋常じゃない。






高「今は何も考えないでいいから、



力抜いて、ゆっくり呼吸して、大丈夫だから、」






「、ゆーと」




高「ん?」




「ひだかには、言わないで」




高「…ん、」






ごめん、そのお願いは聞いてあげられないかも。

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作者名:かおるん | 作成日時:2018年11月21日 1時

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