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浮「、え？」
頭は真っ白で、喉の奥から絞り出した声は掠れていた。
思わず足を止めた俺を振り返って笑う。
「飛貴、別れよう」
何も言わなかった、というより
言葉が出てこなくて。
浮「ちょ、え？なんで？」
イタズラっ子なAちゃんだもん、
どうせまた、反応見てみただけ〜って言うんだよね？
「…理由は特にない。気分」
「ごめんね、いつも振り回してばっかりだったよね。
次の彼女、私よりうんと素敵な子だといいね」
今までありがとう、じゃあ
そう言って、また歩き出したAちゃんを追いかけることもできなかったし、言葉を発することもできなかった。
何もかも理解できなくて、どのくらいそこに立ち尽くしていたんだろう。
気がついたら家にいて、
気がついたら新しい一日が始まっていた。
那「おはよ」
浮「おはよう、」
那「？なんか元気ないじゃん。
昨日はAちゃんに会える〜って大喜びだったのに」
浮「…別れた」
那「ふーん、そうなんだ。…え？別れた！？」
那須が大声を出したせいで教室にいる人が何人か振り返る。
那「なんで？急に振られたの？」
振られた、そっか俺振られたのか。
浮「うん、そう」
那「浮所KYなとこあるから、なんかやらかしたんじゃね？知らないうちに」
浮「俺もそうじゃないかなって考えたんだけど…心当たりが何もない」
Aちゃんとは気が合うカップルじゃないから、今までも小さなことで数えきれないくらい喧嘩してきた。
でも、別れようなんて冗談でも言われたことなくて。
Aちゃんは確かに気分屋なところがあるけど、
昨日みたいに突拍子もないことを言う子じゃない。
心当たりは全くないけど、知らず知らずのうちにAちゃんを傷つけたのかなぁ
昨日から電話をかけたり、メッセージを送ったりしたけど音沙汰はない。
授業が始まっても上の空の俺を、那須が心配そうに見ていた。
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作者名：かおるん | 作成日時：2018年11月21日 1時
