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大学生になって三回目の春を迎え、
Aちゃんは社会人として働きはじめた。
だから、前よりも会える機会が減ったけど
その分会えた時の喜びは大きくて
今までよりもAちゃんを愛しく感じた。
Aちゃんが小さい頃にご両親が離婚して、
大学二年になる直前に一緒に暮らしていたお母さんが亡くなった
Aちゃんは前にそう教えてくれた。
俺は感情が顔に出やすいタイプだから、
きっとそれを聞いたときも顔に出ていたんだと思う
Aちゃんはそんな俺を見て、笑って言った。
『今の私には飛貴がいるから』
その言葉が嬉しくて、胸の奥がツンとして
その時決めた
俺がAちゃんを守る
ずっとAちゃんの隣にいる、って。
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ゴールデンウィークが明けて、夏に向けて少しずつ暑くなってきた頃。
Aちゃんと連絡が取れない日が続いた。
メッセージを送っても既読にならないし、
家に行っても電気がついていなくて。
今までこんなことなかったからすごく心配で、
友達の那須に、唐揚げ定食の唐揚げを取られても気づかないくらいにはボーッとしていたらしい。
那「なに?Aさんのこと、そんなに心配なの?」
浮「心配に決まってるじゃん!
喧嘩しても“うん”とか“わかった”とかは返ってくるのに!!
はぁ〜どうしたんだろう、大丈夫かな、」
那「まあAさんだってひとりになりたいこともあるでしょ、
大人の女性なんだしさ」
那須はそう言ってもう一つ唐揚げを口に入れた。
浮「ひとりになりたいこと、かぁ」
その時だった、彼女からメッセージが届いたのは。
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作者名:かおるん | 作成日時:2018年11月21日 1時