苗字、桐山になりました。【Akito.K】 (ページ32)

今日:10 hit、昨日:7 hit、合計:64,750 hit

＊ページ32

遡ること数日前...―

今日の夕飯は何にしようかなーなんてぼーっと考えながらお仕事...

あ、もちろん、ちゃんと仕事はしてますよ？
だってレジ番は暇なんだもん。笑

そんなお仕事中。

赤いランドセルを背負った小さな女の子が子猫を抱えて、私の元へ駆け寄ってきた。

｢いらっしゃいませ、...？｣

『う、ううっ...』

｢ど、どうしました？大丈夫？？｣

『こ、ねこちゃっ...たすけてっ...』

私の目の前で、その小さな女の子は目にたくさんの涙をためてぎゅっと子猫を抱きしめていた。

よく見ると子猫は少しぐったりしてて、、
この様子だと多分、昨日の少し風の強い雨で親猫とはぐれて風邪ひいちゃったかな。

女の子の目線に合わせて、、とにかく一旦安心させてあげなきゃだよね。

んー、こういう時、照史くんならどうするかな...。
考えろ、私。

｢うん、ここまで猫ちゃん連れてきてくれてありがとうね？...お名前聞いてもいいですか？｣

『ひっく...、そ、そらっ...』

｢そらちゃん、ふふ、素敵なお名前だね？そらちゃん、多分ね、猫ちゃんすごく小さくて、まだ赤ちゃんだからお風邪ひいちゃってると思うの｣

そら｢ううっ、、ん...、｣

｢すぐお医者さんに見てもらうから、...猫ちゃん預かってもいいかな？｣

そら｢う、、ひっく...うん、｣

震える手で、私にそっと子猫をさしだしてくれるそらちゃん。
怖かったね、よく連れてきてくれたね。

｢ありがとう、少し待っててね｣

有紀｢Aちゃん？｣

｢あ、有紀さん...すみません、えと...レジお願いしてもいいですか？｣

有｢ん？えと...｣

｢後で話します！とりあえずこの猫ちゃん...｣

有｢あー、了解！...と、そこの可愛いお嬢さん？お姉さんとお話して待ってよっか？｣

そら｢んっ、、わかった、｣

｢すみません、お願いします｣

さすが有紀さん、何も言わなくても何となく察してくれたみたい。

とりあえずそらちゃんは有紀さんに任せて、急いで子猫を獣医さんのところへ。

動物病院が併設してあるお店だから、こういうときとても助かる。

従業員入口の方から病院内に入ると看護師の静佳(しずか)さんがいて、目が合った瞬間に色々察してくれたのか、獣医の先生を呼びに行ってくれた。

静佳さんも仲良くしてもらってる先輩の1人。
とっても頼りになるお姉さん。

有紀さんも静佳さんも理解力ありすぎて助かります...。