WESTときす。

黄花 -N.Jyunta ページ44

『…枯れてても、』



美しいものは美しい。


冬の畑に倒れた向日葵を見て、私は思った。



中2の冬、

私は完全に孤立し、空気とも言える存在だった。



クラスの人からは無視され、
先輩や後輩にまで睨まれて。

それを全然気にしていないという雰囲気を出す私も悪いと思うけれど、

長期間イジメの対象となっていた。



女子
「あんたさ、マジで邪魔だから。」

女子
「どっか行ってくんない？ウザイんだけど」



イジメが収まっていたかと思っていた時
席替えで最悪の席になった。


中間
「あ、お前か。」



かなりモテている中間淳太と席が隣になった。



女子
「あんた中間くんから話しかけてもらっても
無視してるみたいだけど、何なの」


あなたたちが何なの、と言いたい。


女子
「学校休んでくんない」



『……嫌です。』



女子
「は？」



『…ていうか、あいつのどこが好きなの？
いつも一人で冷たくて、暴言もかなり言うし

孤立してて、私と一緒じゃん！』


ガシャンという音がすると、
背中がジーンと痛くなるのが分かった。



女子
「……マジであんたいらない。」


私の前には数人の女子。

敵う訳がない。



……と思ったとき、



中間
「お前ら何してんの。」


女子
「な、中間くん！！」



すると中間は私に手を出して、

中間
「お前、すごいな」


とだけ言って私を中間の胸の中に引き寄せた。



中間
「こいつの事いじめたら、許さねぇから」



女子
「……っ」


そして集まっていた女子はあっという間に去っていった。



中間
「………」


『………』



ただただ、温かい。

そう思っていたら、



中間
「……お前さ、俺だけ見てろ。」



『…は？』



中間
「強気なとこも、俺に甘えさせるようにするからな。笑


……A。」


そう言って、また私を抱き締めた。



向日葵 : 私の目はあなただけを見つめる



-N.Jyunta

緑花 -K.Tomohiro→←橙花 -K.Akito

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す