キスしたろか。【短編小説】

・【橙】 ページ17

Aside



『よし...変装おっけ…』



照史くんが玄関の鏡を見て呟いた。


今、照史くんは…

黒いキャップにマスク。
白Tに紺色のパーカーにダボっとしたジーンズ。


うん。芸能人オーラはないね。笑


『A、それで大丈夫？
もうちょっとなんか羽織っとった方がええんやない？』


確かに、私はキャラクターのTシャツに黒のジーンズという服装だった。
照史くんと比べたら、ちょっと薄着…


「そう…やね…
でも、今日はこれしか持ってきてない…」


『マジで…？
じゃあ、俺の着る…？』

そして照史くんは、廊下のクローゼットを漁りだした。


『…これとかええんちゃう？』


そう言って渡されたのは、紫色のグラデーションになっているパーカー。

見るからにサイズが大っきい…笑


とりあえず羽織ってみると…

案の定、腕の長さよりも長すぎる袖に丈も太ももらへんを覆うような感じ…


『ちょっとでかいかぁ…』

ちょっと残念そうにしている照史くん。

「…でもぉ！…大きめ…流行ってるし！！笑
これで大丈夫だよ(^^)」

そんな顔見てたら、無理とか言えんよぉ…

あと、このパーカー…

私の大好きな照史くんの匂いがするから、包み込まれてる感じでめっちゃ落ち着くんだよね…(^^)

さすがに、袖は…

余ってる長さが、

萌え袖とかのレベルじゃなかったので…笑

めちゃめちゃ腕まくりして着てます笑


『よし！じゃあ準備オッケ！行くか！』


「うん(^^)」


そして照史くんは、リードと小さいバッグを持って、リビングに戻ってきた。

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