そこは、小瀧さんのお家でした。【桃】

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「それは、、、」
なんて言ったらいいんだろう。

こんな名前も分からないような私をわざわざベットで寝かせてくれたのだから、理由位ちゃんと話さなければならない、とは思う。

でも、その理由が、自分でも分からないのだ。

ただでさえ自分でも訳が分からないこの状況を、目の前のかっこよすぎる人物に話したところで信じてもらえるわけがない。


悩んでいる私を見てまた心配したのか、小瀧君が大丈夫？と声をかけてきた。

うん、話すしかない。

「今からする話、信じてもらえなくても構いません」

『…おん、』

「私昨日のよr、、、【ぐうーーーっ】」

昨日の夜、男達に追いかけられて、と話そうとした。
でも、大きな音がそれを遮った。

その大きな音の正体は…

『…ぷっ！あははは！自分腹減ってるん？』

そう、空腹に耐えきれなくなった、私のおなかの叫び。

かああああっ
あまりの恥ずかしさに、一気に体温が上がる。
…恥ずかしすぎる。顔から火が出るとはこのことだ。

「っすみません！こ、今度はちゃんと話すのでっ！！」

『いや、ええよええよ、また後でいい』

「え、でも」

そういった小瀧君は、目の前で爆笑している。

最悪。
呆れられたかな？今ので確実に嫌われたに決まってる。




「ごめんなさ、、、『腹、減ってんねやろ？じゃ、なんか作ってくる』

…へ？
それってつまり、私にご飯作ってくれるってことだよね、

「さ、さすがに申し訳ないですっ！一晩家で寝かせてくれただけでもありがたいことなのにっ…」

『ええからええから笑、待っとって？』

「っ…」

かっこいい笑顔でほほえまれてしまっては、何も言うことができない。
私は仕方なく、再びベットに座り込むことしかできなかった。

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