WESTん家（４）

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崇｢本当のことを言うと、僕はたまに弟が嫌な時があります。

お兄ちゃんなのが嫌な時があります。

僕だっておとんとおかんを独り占めしたいのに取られちゃうからです。


でも、でも僕は何があっても、おとんとおかんとチビ達を嫌いになることは無いです。

おとんとおかんの大きな背中が僕達を守ってくれてるように、僕も大きくなってみんなを守りたいです。



僕の宝物は。





家族のみんなだから。｣





気づけば涙が溢れてて、隣を見ればさっきまで笑ってた保護者もみんな泣いてた。




崇裕の同級生の子達はよく分かってないけど、親だからこそ分かる気持ちがあって。




崇｢僕は宝物を傷つけちゃったり、泣かせてしまうことがあるけど、大切に守りたいと思いました。おとん、おかん。そして大切な弟達。いつもありがとう。大好き。｣


先｢はいッ…、じゃあ、崇裕くんに拍手っ、！｣




こんな綺麗な文章を崇裕が書けるわけないから、きっと先生が手伝ってくれたんだろうな。



この先生の涙は、きっと崇裕の気持ちが俺たちに伝わったって分かったから。




先｢お父様、お母様、感想をどうぞ！｣




パッと視線が俺らに集まる。




今、俺泣いてて顔ぐしゃぐしゃだし上手い言葉なんて出せないのに。



照｢…俺らからしたら崇裕が宝物や。崇裕！大好きやで！！！｣

淳｢ふふっ、うん。俺らの宝物。大好きや！｣



俺らが喋った途端、びっくりした顔で振り返った崇裕。



崇｢っ……、おとんッ…、おかんっ！！｣




ぶわっと涙が溢れた崇裕を思い切り抱き締めに行こうとしたら、崇裕が走ってきてくれた。




崇｢間に合わんとっ…、思っててっ、｣

淳｢間に合わせるって言うたやろ？｣

崇｢なんでっ、なんで血だらけなんっ、！｣

照｢淳太くんコントみたいに転んだんよ｣

崇｢おかんのあほっ、｣

淳｢ごめんごめん、笑｣




3人の世界に入ってて忘れてたけど、ここ学校！！



ハッとして見てみれば、みんながニコニコ俺らを見てる。




クラス、友達、先生、保護者、全てに恵まれてて良かった。




淳｢ちゃんと見とるから、授業頑張ってき？？｣

崇｢見ててくれる？｣

照｢もちろん！ほらっ！いってき！｣

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