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「っぐ、っ、うぇっ、」



身体がおかしくなったのは、家におった時。

息が苦しくて、涙が出て。

胸を押さえてたら、Aが真っ青な顔して駆け寄ってきた。



「だいき?だいき!?どうしたの?大丈夫?」



絨毯の上。

もがいて、苦しがる俺を見て。

どうしよ、どうしたらいいの、てパニックなってもうてて。

たすけて、って俺がやっと出した声聞いて、Aも泣きそうやった。



「やだ、待って…っ」



Aがスマホを握る。

けど、指が震えて、電話をかけるのに手こずって。

どんどん、意識が遠なってく。

グミのせいや、それはすぐに分かった。

あきとくんの言うこと聞いておくんやった。

ともひろに止められた時に、やめたら良かった。

そう思うても、もう遅くて。

このまま死んじゃうんや、て幼いながらに思った。



「だいき、おいでっ」



最後の力を振り絞ってAの服を掴んだ俺を抱き上げて、お店行こうね、って言うてくれたけど。

免許なんか持ってへんAは、めっちゃ困ったんやろうなと思う。



「っもう、タクシー遅い…っ!」



イライラしながらタクシー待って。

店まで走らせて。



「お釣りいりません!」



て、札を投げつけるようにタクシーを降りた。

そっからは、よう覚えてへんくて。

気が付いたら、照史くんが覗き込んでた。



「だいき、何食べたん。人間の食べもんは食べたらあかん、て何度も言うたやろ」


「けどっ、へーきやったもん!おいしかってんもん!」


「平気ちゃうからこうなってんねん。美味しいけど、Aさんにもう会われへんようなってまうんやで?」


「っ、それはいやや!」


「やろ?やったら、我慢せなあかんねん」

だいきはええ子やから、できるな?


「…うん、わかった!もうたべへん!」



男の約束や、て照史くんと約束して。

心配もお金もかけさせてもうたAにも謝った。



「ごめんなさい!」


「良かった…っ」



ぎゅーっと抱き締めてくれて。

次食べたら許さないから、って厳しい口調でAは言った。

今までで一番いちごの匂いがした。





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「…やから、俺いらんて言わんかった?」→←「ぐみ、ていうねん!」



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こか - ドールの読みました!いつかいつかとしげちゃんの更新まってます。 (2019年7月10日 1時) (レス) id: be3c0702e8 (このIDを非表示/違反報告)
春果 - しげちゃんかわいいですね〜!また、楽しみにしてます★ (2017年7月18日 20時) (レス) id: 997f1647f4 (このIDを非表示/違反報告)
青衣(プロフ) - 更新うれしいです、ゆっくりでいいのでりゅうせい編も楽しみに待ってます、素敵な作品と出会えて嬉しいです。 (2017年7月14日 23時) (レス) id: 7b82a2e89b (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - このシリーズ大好きです。更新楽しみにしてます。 (2017年7月9日 0時) (レス) id: cf7f28aebe (このIDを非表示/違反報告)
はるな(プロフ) - プランツドールシリーズ、今までに読んだ作品の中で一番好きです。どのドールのお話も大好きで、思わず感情移入して読んでて切なくなったり嬉しくなったりしてます。更新楽しみにしてます (2016年9月13日 2時) (レス) id: c25a20d502 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茉莉花 | 作成日時:2016年4月23日 11時

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