プランツ・ドール Nozomu. K

「いってきまーす」 ページ11

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＠やっぱりページ分割することにしました






バイトのシフトを変更して少し。



｢っ、う…｣



のぞむと一緒に朝を迎えるのが当たり前になって、寝相の悪さには日々悩まされるところ。

今朝は私の上に乗って寝てる、なぜだ。



｢のぞむ、起きて｣



声掛けてもすんなり起きることはない、まずない。

起きても数秒後には夢の中だし。

そっと抱っこして、仰向けになった私の上に乗せてみる。

ラッコか、有名なジブ リ作品みたい。

のぞむの手が、無意識にぎゅっと私のスエットを握る。

もう、朝から可愛い。



｢ほら、起きて？お仕事行っちゃうぞー｣



ぷにぷにの頬っぺたをつつきながらそう言えば、目がゆっくり開いた。



｢おはよう、のぞむ｣



こくんと頷いて、とろんとした目で私を見る。

ちょっと油断したら、すぐ寝ちゃいそう。

寝せないようにさっさと布団から出す。

フローリングの上にぺたんと座って、うとうと。



｢歯磨きするよ、頑張れ｣



手を繋いで、ふああって可愛いあくびが聞こえる。

そのまま洗面所に連行。

顔を洗って、歯を磨いて。

それでもまだ、ものすごーく眠たそう。

そうは言っても仕方ない。

椅子に座らせて、ミルクを用意して。

そっと振り向けば案の定、椅子の上でうつらうつらと揺れている。



｢ご飯だよ。口開けて、あーん、｣



ぱくっ、てスプーンを口に咥える。

スプーンを抜いても、まだうとうと。

まあいつものことだ。

様子を見ながら、私も身支度。

昼には一度帰ってくるけど、またすぐ出るし。

できることは時間があるうちに少しでもしておく。

やっと身支度を終えれば、椅子の上で完全に寝ているのぞむ。

このまま寝せとけって思うでしょ？

一回やったのそれ、ベッドに寝かせたまま出勤。

その日は帰ってきてから大変だった。

のぞむが拗ねちゃって拗ねちゃって、ご機嫌とるのにどれほど苦労したことか。



｢のぞむ、いってきまーす｣



玄関まで抱っこして連れてって挨拶。

むぎゅーっと音がしそうなほど抱き着かれて、私もぎゅっと抱き締め返す。

これがいってきますの挨拶になりつつある。

のぞむを下ろして、靴を履いて。

よし、ってドアに手を掛ければ、のぞむがちっちゃい手を振ってる。



｢うん、いってくるねー。偉い子にしてるんだよ｣



こりゃあ見送った後、寝直すんだろうな。

そう思いながら部屋を出た。







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